「本末転倒な選考」がまかり通る時代は終わった データで判定、「就活テクニック」も無意味に

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選考されなかったことについて、何かしら、要因があったことは事実です。最低限の身だしなみなど、少し調べればわかるスキルについては、すぐに改善したほうがいいでしょう。しかし、細部のことについては、いくら相手に合わせようとしても、知る術が限られています。仮に知ったとしても、本来自分にないものを、急遽身に付けることは相当難しいことです。

それよりも、「どうしたら、これまでに積み上げてきた自分という人間の強み、魅力を理解してもらえるか」ということを、考えて表現していくことのほうが、大切なことだと思います。そこを、しっかりやり切ることができれば、きっと自分にふさわしい企業との縁ができると思います。

一方、企業側は、このような見極め方法を放置していていいのでしょうか。

確かに、そこに見極める「理屈」はあります。よって見極めの参考情報の1つではあることは否定しません。ただ、その一部分の要素だけで、NGとするだけの理由になっているのかというと、私は疑問に思います。

一部分の要素だけで採用しないのは非効率

「一事が万事」とは言っても、その1つの要素が、その人材の持っている強み、魅力まで否定するものではないと思います。人材全体を評価する部分で、1つの情報として参考にするのならともかく、NGにまでしてしまうことは、見極めの精度を落としている要因につながっているのではないかと感じています。

確かに、多くの応募者がいる中で、企業側が効率的に選考を行う必要があることはわかります。そのために、落とすためのわかりやすい線引きを用意しているのかもしれませんが、その線引きによって、自社にあった人材を採るという、採用の本来の目的を果たせていないのなら、意味がありません。

目的がしっかり果たせているのであれば何も言うことはありませんが、人材が成長しないことを、採用の問題とはせずに、現場の教育責任にすり替えている人たちが少なくありません。

自信があると言って、決まった見極め方法を持っている人には、ぜひ、過去採用をした人の今の実態を見てもらい、本当にその見極め方法が、本来の採用目的に適した方法なのか、考えてもらいたいものです。

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