「日経式60歳からの資産取り崩し法」の問題点 「老後のお金」の「正しい使い方と増やし方」

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60歳を過ぎたら、お金の「取り崩し方」と「運用の仕方」をどう考えればいいのか?(写真:mits/PIXTA)

「老後2000万円問題」の余韻が残っているのか、そろそろ冬のボーナスの時期が近いからなのか、新聞や雑誌で資産運用の特集記事が目立つ。読者の関心の高まりもあるし、記事広告にもスポンサーが付きやすいのだろう。

資産運用ブームは結構だが・・・

麻生太郎財務大臣の対応ミスから始まった2000万円問題だったが、結果的には、金融機関にとって、大成功した「炎上マーケティング」になった。テレビだけでも、ニュース、情報バラエティ、国会中継まで含めて、圧倒的な露出量だった。その結果、国民の資産運用・資産管理に対する関心が高まったのは結構なことだ。

さて、そうした記事の中に、いささか疑問を感じる内容のものがあった。例えば、筆者は『日本経済新聞』(11月23日朝刊、21面)に載った「投資資産 売却も時間分散 安値売りリスク回避」で説明されている、老後の資産取り崩し法には大いに問題があると感じた。

現役時代の資産の形成だけでなく、老後(リタイア後)の資産の取り崩し方にも注意が向かうことはいいことだし、主にお金を持っているのが高齢者だということもあって、金融業界側も関心を持っている。しかし、ここで紹介されている方法は、一つには「危ない」し、もう一つには「もったいない」。

上記の記事で大きく紹介しているし、別の特集でも同様の方法を載せていたから、日経はこれをいい方法だと思っているのだろうから、この方法を仮に「日経式」と名付けるが、記事で紹介されている「60歳から資産を取り崩していくイメージ」の日経式・資産取り崩し法は、以下のようなものだ。

【「日経式資産取り崩し法」~「60歳から取り崩すイメージ」】
(1) 60歳から「残高の4%ずつ引き出し、年3%で運用」する。
(2) 75歳で運用を中止し、資産を定額で引き出す(図では95歳までの取り崩しを想定)。

 この方法のどこがいけないのだろうか?

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