「小6女児誘拐」「卓球・水谷恐喝」の意外な共通点 問題の根源は「子どもをどう守る?」ではない

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移送される伊藤仁士容疑者(写真:共同通信)

11月23日の逮捕から連日、「小6女児誘拐事件」がトップニュースとして報じられ続けています。

警察によると同事件の発端は、栃木県小山市に住む35歳の伊藤仁士容疑者が、10日ごろにSNSを使って大阪市に住む小学校6年生の女児に「半年ぐらい前に来た女の子のしゃべり相手になってほしい。うちに来ない?」とメッセージを送ったことから。その後、17日に大阪市で会い、在来線を乗り継いで小山市の自宅に連れ込んだとされています。

事件は23日午後に、男の家から逃げ出した女児が小山市内の交番を訪れたことから発覚。すぐに、「6日間の食事は1日1食、風呂は2日に1回程度で、一度も外出できなかった」「男に靴とスマートフォンを取り上げられた」「パソコンは見られたので自分が捜索されていることは知っていた」「鉄砲の弾のようなものを見せられて怖かった」「容疑者宅を脱出後、雨の中で靴下のまま約3時間半さまよっていた」などの恐ろしい実態が明らかになりました。

一方、容疑者の男は、「公開捜査されているのは知っていたが、誘拐しようと思ったわけではない」と容疑を否認。この小6女子のほかに容疑者の男の自宅にいたもう1人の女子中学生も「監禁ではなかった」と話しているなど、まだ捜査中の段階ではあるものの、それ以上に気になったのはメディアの報じ方。

テレビの情報番組やワイドショーも、ネット媒体のコラムも、「親はSNSから子どもをどう守ればいいのか?」「男の手口と転落人生」ばかりをフィーチャーしています。テレビもネット媒体も、視聴率やアクセス数を獲得しなければいけないビジネスモデルではありますが、まるでエンターテインメントのようにセンセーショナルな演出ばかりで、問題の根源に踏み込もうとしません。

人間関係コンサルタントの立場から「何が事件の根源なのか?」を突き詰めていくと、21日に報じられた「大学生ら男女3人が卓球・水谷隼選手の恐喝未遂で逮捕」というニュースとの共通点も浮かび上がってきました。

大人を怖がらない現代の子どもたち

確かに「親はSNSから子どもをどう守ればいいのか?」は直近の改善策として必要なものですし、「男の手口と転落人生」を知ることで事件の再発を防ぐ一定の効果はあるでしょう。しかし、あまりにも報道がこの2点に偏りすぎたうえに、ショーアップされているため、根源的な問題が見えにくくなっているのです。

その根源的な問題とは、現代の子どもたちが、大人を怖がらないこと、恐れ知らずで警戒心を抱かないこと。たとえば、子どもを誘拐するような悪い人は昔からいましたが、子どもが怖がり、警戒することで、物理的な距離が保たれ、一定以上の抑止効果になっていました。

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