「小6女児誘拐」「卓球・水谷恐喝」の意外な共通点

問題の根源は「子どもをどう守る?」ではない

そもそも、大人が子どもに合わせて会話をすれば、「話しやすい」「いい人」と思われやすいのは当然。「相手の大人がどんな目的を潜ませているか」というリスクを考えることなく、日ごとに自己開示は繰り返され、いくつかの共通点が見つかり、「会ってみたい」という気持ちが自然なものになっていきます。これは今回の事件を報じる複数のメディアが、「『ネット上の友達に会ってみたい』と5割超の子どもが回答した」というアンケート結果を紹介していたことも、子どもたちの心理を証明していました。

また、「子どもの好奇心は止められない」という断定的な論調も多数見られましたが、それこそ「単純化して型にはめようとする」という大人の悪癖。そんな大人にとって都合のいい論調や、子どもたちの置かれた環境、SNSというツールがリスクを増大させているのです。

浅はかすぎる水谷隼選手への恐喝未遂

今回の「小6女児誘拐」事件を聞いて、すぐに「大学生らが卓球・水谷隼選手の恐喝容疑で逮捕」というニュースを思い出しました。

このニュースは、20歳の大学生2人とアルバイトの女性1人が、「水谷選手と女性がホテルでキスしたとして、『お子さんも家族もいて有名人なので週刊誌に載ると思います』などとLINEでメッセージを送ったあと、電話で数百万円を要求した疑いで逮捕された」というもの。20歳は法律的には成人ですが未成年スレスレで、世間的に見ればまだ大人になりきれていない「子ども」同然。「小6女児誘拐」事件とは異なり、「子どもが加害者」のケースではありますが、根源的な問題が似ているのです。

「週刊誌に載ると思います」という安易な脅し方、「LINEでメッセージを送る」という自ら証拠を残す手口、「数百万円」という遊ぶにはリアルな金額。いずれも彼らの行為が、いかに浅はかであるかを物語っています。

しかし、今回の事件だけでなく、このところ特殊詐欺に手を染める大学生のニュースが続出していました。特に逮捕されやすい受け子(お金の受け取り人)になる大学生が増え、なかでも多いのは、SNSを使った「簡単な高額アルバイト」の募集としてはじめたケース。そのため、「逮捕されて初めてヤバさに気づいた」「1度やったら抜けられなくなり困っていた」という後悔の声をよく耳にします。

大学生たちがこれらの失敗を犯してしまう理由の根源も、「怖さや警戒心に欠ける」「『まあいいか』『何とかなるでしょ』というテキトー思考がある」から。大学生だけでなく、中高生の驚くような犯罪もニュースで取り上げられますが、やはり大人や社会がリスクを伝え切れてないからではないでしょうか。

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