「小6女児誘拐」「卓球・水谷恐喝」の意外な共通点

問題の根源は「子どもをどう守る?」ではない

しかし、時代は変わり、親は好きなものや楽しいものばかり与え、社会は便利で楽できるツールを次々に開発するなど、喜怒哀楽の“喜”と“楽”を感じることが多い反面、“怒”“哀”を感じさせられる瞬間が激減。子どもにしてみれば、「叱られないから、大人の怖さを知らないし、恐れたり警戒したりする必要もない」のです。

その結果、現在の子どもたちに多く見られるのが、「まあいいか」「何とかなるでしょ」という悪い意味でのテキトー思考。日ごろネット上で多くの情報にふれるようになり、さまざまな場所へ出かけることに慣れ、自分を楽しませる方法を知る現在の子どもたちは、「大丈夫」という根拠のない自信を持っていて、それが事件に巻き込まれる一因となっています。

私のもとにも、「子どもにナメられていて言うことをきかない」という親や、「一部の子どもによる学級崩壊に悩んでいる」という教師からの相談が届くことも含め、「どうせ叱られない」「大人なんてちょろい」という子どもたちが存在するのは事実。そんな子どもたちのご機嫌を取るだけでなく、良い意味での怖さや恐れを感じさせられる大人が減ったことが問題なのです。

SNSの相手ほど「いい人」と感じるリスク

前述したように怖さや警戒心を抱かない子どもたちにとって危険なのが、顔を合わせず、本当の名前すら知らない相手とやり取りするSNS、アプリ、ゲームなどのネットツール。これらは、「大人が怖さを感じられる一方、子どもたちにとっては怖さを感じにくい危険なもの」とも言えます。

しかも見逃せないのは、「ネットだから気軽に話せる」「自分をさらけ出しやすい」という大人同様の心理。ネット上の友人は、何かと息苦しさを感じやすい学校の同級生や家族よりも話しやすく、「会話が苦手」「人見知り」という人も自分をさらけ出すことができます。すると、「こっちが本当の自分」という親の知らない顔に自分らしさを感じるほか、それを聞いてくれる相手は「無条件でいい人、理解者」であり、「家族よりも身近な人」と感じるケースも少なくありません。

もう1つ特筆しておきたいのは、「繰り返し接する相手ほど好感度が高まりやすい」という心理学の単純接触効果。その意味でSNSでのやり取りを重ねることはハイリスクであり、実際以上に親しみを感じ、ますます怖さや警戒心が薄れるほか、犯人側もSNSでのやり取りを重ねることで子どもへの執着心が強くなっていくというリスクもあります。

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