モノレールと新交通システムはLRTに勝てるか ゆいレール延伸、上野のモノレールは休止

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モノレールの利点としては、急勾配や急曲線に強いことから建設ルートが柔軟に選べることがある。他の交通機関とは完全立体交差で、空中を進むため、幹線道路上、あるいは河川の上などにも建設が可能なのだ。

那覇市中心部を、隙間を縫うように走るゆいレール。久茂地川に沿って建設された(筆者撮影)

例えば、ゆいレールは那覇市の中心部において、久茂地川の上の空間を利用して駅などを建設している。その他のモノレールも、多くは都市計画道路に沿って建設されている。東京都は用地買収の手間が少ないことからも、モノレールの導入を検討したと思われる。

しかし、その後の東京23区内の人口、ひいては交通量の増加は予想以上であった。結局、モノレールの輸送力では対応しきれないと判断され、都電の代替は地下鉄とバスで行われた。

足立区西部の交通事情改善のため建設された「日暮里・舎人ライナー」(2008年開業)も東京都交通局が運営する鉄道であるが、「AGT」が採用されている。

日本では、自動案内軌条式旅客輸送システム(Automated Guideway Transit:AGT)のことを、一般に「新交通システム」と呼ぶ。こちらもモノレールと同じような利点を持つ。

1980〜90年代に「流行」

モノレールや新交通システムは、最初の区間が開業した時期が集中している点が特徴だ。

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