モノレールと新交通システムはLRTに勝てるか ゆいレール延伸、上野のモノレールは休止

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モノレールは、1960年代にはすでに技術的な基礎は確立されていたので、懸垂式(鉄製の線路にぶら下がる)の上野動物園モノレールに続いて、湘南モノレールも開業。跨座式(コンクリート製の線路の上に跨がる方式)では、東京モノレールが早い時期に開業している。

しかし、路面電車に代わる、一般の鉄道とバスの間を埋める「中量交通機関」として注目し導入を計画する都市が続出したのが、1970〜80年代であり、研究開発、建設期間を経て相次いで開業したという歴史があるのだ。一種の「流行」のようにも見える。

背景としては、1967年に当時の運輸省が「都市交通に適したモノレールの開発研究」を日本モノレール協会に依頼し、「日本跨座式」と呼ばれる標準仕様がまとめられたことがある。北九州モノレール以降に開業した跨座式のモノレールは、すべてこの仕様に準拠している。

横浜シーサイドラインは「標準型新交通システム」の規格を導入した第1号でもある(筆者撮影)

一方のAGTは、1983年に「標準型新交通システム」の規格が定められたことにより、導入が促進された。双方とも、標準化が進むまでは各路線独自の仕様を導入することが多く、開発、建設、メンテナンス費用を抑えることが困難で、車両や軌道の互換性にも乏しかったのである。

2000年代に入れば、どちらも、ぱったりと新規開業が止まってしまう。ディズニーリゾートラインはその名の通り、東京ディズニーリゾート内を循環するテーマパーク内の輸送機関であるから、元から例外的だが、ゆいレールと日暮里・舎人ライナーも特殊例とも思えてくる。現在、計画が具体化している新規路線はなく、既存線の延伸計画も、多摩都市モノレールと大阪モノレールにある程度だ。

建設コストが高いデメリットも

モノレールやAGTの利点としてはほかに、専用の線路を走ることにより定時性が確保されること。踏切もないため安全性が高いこと。無人運転を導入しやすいことなども挙げられる。

運転士を省略した運転は、実際に多くのAGTやディズニーリゾートラインで実施されており、少子高齢化による労働人口の減少にも対応できる。ただ、これらは一般の鉄道でも同じ利点を持たせることは可能だ。

一方、欠点としては、多くの支柱を立てる必要があり、駅も基本的に高架構造となるため、建設費がかかることがある。そして、エレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー施設も整えなければならないことが、それに拍車をかけている。しかも、初期投資が高額になる割には、一般の鉄道より輸送力が小さい。

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