JR新駅がカギを握る「湘南モノレール」の未来 昨年にはPASMO導入、利用者獲得に何が必要か
首都圏の大都市圏近郊の鉄道事業者の中でIC乗車券に対応していない鉄道事業者の1つだった湘南モノレール。2018年4月1日に「PASMO」を導入して1年余りが過ぎた。同社の尾渡英生社長は「効果は着実に現れている」と手応えを口にする。
PASMO導入前に同社でインターンシップを経験した湘北短期大学の実習生(当時)は「改札業務の実習中、多くのお客様からICカードの利用開始時期についてご質問を受けました。『導入予定はあるのですが、現時点では時期は未定です』とお答えするのが精一杯でした」と話している。
PASMO使えず「乗客減を待つばかり」
尾渡氏も「以前はお客様からの苦情が本当に多く、このまま対応しなければ、乗客減を待つばかりだと思った」と導入を決断した経緯を明かす。
尾渡氏は以前、PASMOについて、単純に導入するだけでは採算は取れないため、駅のバリアフリー化とセットで取り組むことで集客増につなげることが重要との認識を示していた(詳しくは2017年11月15日付記事「『湘南モノレール』経営刷新で何が変わったか」を参照)。
2017年7月3日に湘南江の島駅の耐震補強・バリアフリー化工事に着手し、2018年4月1日にPASMOサービスとエレベーターの使用を開始した。
さらに、ふじさわ江の島花火大会開催日の10月20日からの新築エスカレーター棟の供用開始、さらに11月11日のモノレールでの結婚式「モノレールdeウェディング」開催に合わせたエスカレーター棟5階の「富士ビュー ルーフテラス」の供用開始と、工事の進展に合わせて段階的に同駅のブラッシュアップを進めた。
そして12月1日にグランドオープンを迎えた。また、当駅の改札口が駅ビルの5階に位置することから「日本一高い改札口」(尾渡氏)とアピールし、さらに知名度を高めたい考えだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら