JR新駅がカギを握る「湘南モノレール」の未来 昨年にはPASMO導入、利用者獲得に何が必要か
モノレールの湘南江の島駅は、江ノ島電鉄(江ノ電)線江ノ島駅、および小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅とともに、江の島観光の玄関口としての役割を担っている。
2017年度の湘南江の島駅の乗車人員は1941人で、これら3駅の乗車人員合計に占める湘南江の島駅のシェアは11.3%にとどまる(片瀬江ノ島駅1万968人・シェア63.6%、江ノ島駅4339人、シェア25.2%)ものの、尾渡氏は「(他の観光地よりも)江の島や鎌倉が選ばれて、お越しいただくことが大切だ。観光客に湘南モノレールをアピールするチャンスにすればいい」と前を見据える。
観光客に「速さ」をPR
こうした考えの下、2015年12月には、江の島地下道・片瀬江ノ島駅と江ノ島駅・湘南江の島駅を結ぶメインストリートに「速い! モノレール」と書いた看板を設置した。狙いは、江の島エリアと横浜駅・東京駅方面を結ぶアクセスルートとしての認知度向上にある。
また、湘南モノレール、東日本旅客鉄道(JR東日本)、および江ノ電が1日乗り降り自由の「鎌倉・江ノ島パス」の販売に協力し、エリアの回遊性向上にも一役買っている。
尾渡氏は「藤沢・鎌倉両市合わせて年間約3800万人の観光客を当社線に誘致することができれば、現状で約1100万人の乗車人員をさらに伸ばすことができる」とし、さらに「当社線の利用促進によって、観光客が集中する江ノ電の混雑緩和に貢献できる」と意気込む。
さらに尾渡氏は「江の島・鎌倉周辺の交通渋滞緩和でも貢献したい」とし、「その一環として、湘南深沢駅の乗降記録が残ったPASMO利用で、『タイムズ湘南深沢駅前』の駐車料金を100円割引するサービスも導入した」と説明する。
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