伝説の高級小型車「BMC ADO16」はすごかった 別名「小さなロールスロイス」で貧乏旅行!?
「小さな高級車」といえば、そのものズバリのキャッチコピーを使っていた「トヨタ・プログレ」を思い出す人も少なくないだろう。
でも、僕の頭にすぐ思い浮かぶのは「BMC・ADO16」シリーズ。1960年代初めから1970年代半ば辺りまで生産されたイギリス産の小型乗用車だ。
今なお魅力的な輝きを放つADO16
ミニ(ADO15)の成功を受けて開発されたADO16は、いわばミニの上級シリーズといえるポジションのクルマだが、ピニンファリーナが描いたルックスは多くの心を惹きつけた。
4人の大人が余裕で乗れて、革新性と保守性を巧みにミックス&バランスさせたルックスは、今なお魅力的な輝きを放っている。
ADO16は6種のモデル名で売られたが、一応その名を列記しておこう。オースチン、モーリス、MG、ウーズレー、ライレー、バンデンプラの6種だが、廉価な大衆ブランドから、スポーツブランド、高級ブランドまでをカバーしていたということ。
普通に考えれば、こんな展開はありえないし、成立しっこないのだが、AD016は成立した。少なくとも僕はそう思っている。
とくに、MGやバンデンプラの成立は、ひとえにピニンファリナのデザインのお陰だろう。
浮気性の僕と兄は、ADO16にもすぐ魅了され、早々に手に入れた。
僕はスポーティー・ブランドのMG を、兄は高級ブランドのバンデン・プラ・プリンセスを選んだ。
MGは当初1100だったが、後に1300にアップグレード。その流れで、結局、僕は2台のMGを買うことになった。