子供の成績が「下がる部屋」「上がる部屋」の大差 日曜大工で「家に塾を再現した父親」さえいる

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2つ目は、親御さんが家にどんなテキストや資料があるのか把握するためです。塾からいろいろなテキストを渡されたとき、「この図録や資料集はいつ使うの?」「どういうときに使うものなの?」と、子どもに確認することは意外に大事なのです。

塾の先生が具体的に指示をしてくれていないために、渡されっぱなしで1度も使っていないなんてことはざらにあります。

このように、「わからないときにどうするか」という動き方を確認し、「わが家にはどんな学習ツールがあるか」を知っておく。子どもが学習ツールを使いこなせるように、手伝ってあげましょう。

塾では勉強を頑張れるのに、家だとやる気が起きない。そんな様子を見せられると、親御さんにとってはもどかしい限りでしょうが、頑張れないのには子どもなりの理由があります。

「塾ならみんなが勉強をしているけど、家だと下のきょうだいがいて集中できない」「目の前に冷蔵庫があると、つい何か食べたくなってしまう」「塾で頑張ってきたんだから、家ではゴロゴロしたい」「お母さんに今日あったことを聞いてほしい」

このような理由があるので、叱ったところであまり効果はありません。それよりも、まずは子どもの気持ちを受け入れ、それを満たしてあげられないか考えましょう。もし、甘えたがっているのであれば、「よし、じゃあ6時になったら話を聞かせてね!」と先に時間を決めて、「それまでに宿題のドリルは終わらせようか!」と約束をし、集中させるのも1つの手です。

塾では頑張れるのに1人だとそういう気持ちにならないのであれば、お母さんやお父さんと競って問題を解く「勝負タイム」をつくるのもいいでしょう。子どもの気持ちに寄り添ってあげると、家庭学習はうまくいきやすいですね。

家に塾を再現したお父さん

以前、私が指導に携わっていた個別指導塾にこんな生徒がいました。

『5歳から始める最高の中学受験』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

その塾は、教室内をいくつものパーテーションで区切り、1人用の学習空間をつくって専用のホワイトボードで指導するスタイルです。

その子は、家では集中できないけど塾の個別学習空間だと勉強がはかどるというのです。すると、「よし、わかった!」と、その子のお父さんが日曜大工で家の中に塾と同じ空間を再現したのです。

専用ブースをつくるには、パーテーション数枚と壁にかけるホワイトボードと机、イスが必要。全部合わせて数万円かかったそうですが、その子はいたく気に入り、家でも集中して勉強ができるようになったそうです。

必ずしもここまでする必要はありませんが、子どもが気持ちよく勉強できるにはどうしたらいいか、考えてあげることの大切さを感じさせてくれるエピソードです。

小川 大介 中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

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おがわ だいすけ / Daisuke Ogawa

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、1999年に中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。同時期に「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」の創設にも参画し、情報発信を開始。受験学習はもとより、幼児低学年からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方についての助言や提案に定評がある。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)など、著書多数。

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