認知症「800万人時代」に銀行はどう備えるか

業界横断で研究団体発足、研修や資格認定も

2030年に認知症となる人は最大で830万人に増えると予想されている。同時に、金融機関はさまざまな取り組みを進めている(写真:kuro3/PIXTA)

高齢化が急速に進む中、日本でも認知症の顧客へどう対応するかが金融機関にとって大きな課題となっている。

現在、500万人程度が認知症だと推定されるが、2030年には最大で約830万人、全人口の約7%に急増すると予想されている。65歳以上の高齢者のほぼ4人に1人が認知症となる計算だ。

現在、約1860兆円にのぼる個人金融資産(2019年6月末)の7割近くは60歳以上の高齢者が保有している。第一生命経済研究所の試算によれば、認知症の人が保有する金融資産は2017年末で143兆円にのぼり、2030年時点では215兆円に達する。個人金融資産の約1割を認知症の人が保有する計算になる。

メガバンク職員数万人が認知症講座を受講

金融機関にとって認知症高齢者への対応を誤れば、取引だけでなく社会的信用を失うリスクともなりかねない。このため、各社はさまざまな取り組みを行ってきた。

【2019年11月26日12時52分追記】上記小見出しを修正いたします。

まず、職員の対応力向上のため、「認知症サポーター養成講座」を導入し、受講者を年々増やしている。この講座は、認知症に対するベーシックな知識と理解を広めるため、2005年から厚生労働省の旗振りで始まったものだ。希望するすべての住民や企業を対象に全国の各自治体が90分間の講座を定期的に開催している。メガバンク合計の受講者数は累計で数万人規模になる。

それと並行して、みずほフィナンシャルグループでは独自の教材用に「認知症の方に寄り添うためのハンドブック」を作成した。認知症の原因や症状のほか、対応の5原則(否定しない、叱らない、無視しない、笑わない、ばかにしない)やコミュニケーションのコツ、さらには営業現場における事例別の対応のポイントについて、職員向けにわかりやすく解説した。

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