情報の集め方がイケてない人は仕事ができない 取捨選択していけばやがて本質に近づく

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生活者としての自分も大事です(写真:horiphoto/PIXTA)

そうだそうだと腑に落ちることが多かっただけに、今年の初めに刊行された『右脳思考』(内田和成 著)は個人的にも印象的な一冊だった。昼食のために立ち寄ったそば屋で読んでいたら、集中しすぎてそばが伸びてしまったほどである。

ただし、いささかの不満もあった。

同書で解説されていたのは、「右脳と左脳のキャッチボール」についてだ。まずはインプットステージで「観・感・勘」を活用しながら“ひらめき”を生み出し、同時に左脳やロジックを用いてアイデアやひらめきを検証し、再び右脳で周囲を「腹落ち」させるアウトプットステージに分かれるという考え方である。

それ自体は理解できたのだが、「では、どうすればいいのか」、すなわち“右脳を活用してユニークな発想を引き出す方法”についてもう少し具体的に知りたいと感じたのだ。

しかし、同じようなリクエストは少なくなかったようだ。そこで新たにお目見えしたのが、今回ご紹介する『右脳思考を鍛える: 「観・感・勘」を実践! 究極のアイデアのつくり方』(内田和成 著、東洋経済新報社)である。

ビジネスの場で生活者の自分を切り離すのはやめよう

2008年角川書店から新書として出された『スパークする思考 右脳発想の独創力』を、単行本として復刊したもの。同書では上記のニーズにかなった右脳の活用法が解説されていたが、残念ながら絶版になっていたため、改題して刊行することになったという流れである。

本書のテーマは、「日頃の私生活で自然と行なっているクリエイティブな発想や行動を、なぜ仕事では行なわないのか?」というものだ。(中略)
多くのビジネスパーソンは、生活者としての自分を仕事の場には持ち込まないように努力している節がある。生活者であり、消費者である自分は脱ぎ捨て、まったく別の個性を身にまとおうとする。本能的な感性や経験に裏打ちされた勘は封印して、正確な情報や分析を頼りにする論理的思考方法を身につけようともがいている人が多い。(「はじめに(旧版) 日常を仕事に持ち込むだけで、発想力は向上する」より)

しかし、そんなことはつらいだけ。だからやめようと著者は主張するのだ。

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