親が恐れる「中学の内申点」の知られざる実際 中学校長が教える“学校以外"の学びの場
同じ場にいたとある私立高校の生徒たちも、興味深いことを話してくれました。
彼らは週に2時間、自分たちで決めたテーマや先輩から引き継いだ内容で個別に研究をしているそうなのですが、驚くことにその内容は高校生ながらにiPS細胞などの研究なのです。
そのような高レベルの研究をしていると、日本の論文では物足りなくなり、英語の論文も読む必要が出てきます。そのため、彼らは必要に迫られて英語を勉強するようになるというわけです。
さらに彼らは海外でプレゼンする機会もあり、その際には英語で話す必要がありますから、スピーキングもできるようになります。
これはいつ使うかわからないことを学んでいくのとは真逆のスタイルで、とても本質的な「学び」です。
無理に内申点をつけると不利になることも
中学生の不登校の場合、内申点が悪くなり高校受験にひびくのではないかと気にされる方が多いと思いますが、まずもって私立高校の場合は、ほとんどの学校で不登校であることが不利になることはありません。
また、受験制度は各都道府県によって異なるため一概には言えませんが、東京都の公立高校に限って言えば、同様に不利にならないよう配慮されています。
内申点とは、定期テストや授業中の関心や意欲をもとに評価される仕組みです。特定の理由があって不登校になった場合は、評価の判断材料がないために、内申点をつけることができません。そのときは、斜線(内申点の記載がない状態)になります。
各高校の採点基準は明示されていませんから、これが絶対に不利にならないとは言い切れないのですが、都の教育委員会が各高校へ、この斜線が受験に不利にならないよう配慮を求めているのは事実です。
親御さんの中には、どうしても内申点をつけてほしいということで、テストだけは無理にでも受けさせるという方がいますが、そうやってつけた内申点が逆に受験に不利になるケースもあるということを知っておいてください(限られた評価の材料で内申点がつくよりは、斜線となり、学力検査だけで全体の評価をしてもらうほうが、有利というイメージです)。
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