親が恐れる「中学の内申点」の知られざる実際 中学校長が教える“学校以外"の学びの場
もちろん前提として、学校は、すべての子どもたちが安心して学校に通えるように配慮をすべきです。
ただ、もしそれでもうまくいかなかった場合は、学校に行かない状態に過剰に反応することはないと思うのです。
「そんなことを言っても、不登校になれば内申点が悪くなり、受験にひびく……」「勉強が遅れてしまう」という声が聞こえてきそうです。
しかし、私は断言できます。
もし不登校になったとしても、受験にひびくことはありません。たとえ学習が一時的に遅れてしまったとしても、あとから取り返すこともできます。
学べる場所は学校だけじゃない
経済産業省主催の“「未来の教室」とEdTech研究会”というイベントに参加したとき、とある高校生からこんな話を聞きました。
その子は小学1年生から6年生まで病気で入院しており、学校に通えなかった経験があるそうです。入院中は昆虫が好きなので、昆虫の図鑑や『ファーブル昆虫記』など昆虫の本ばかり読みふけったと言います。
中学から学校に通い出した彼は、確かに少し勉強に遅れがあったそうですが、その後、都立高校に入学。今はバイオの研究をしており、勉強をとても楽しんでいるそうです。
「普通の教科(いわゆる国語や英語)は面白くない。もっとこんな研究がたくさんあったらいいのに」と彼は言っていました。
「僕は漢字や文章のつくり方など、国語の分野は昆虫の本を使って覚えました」と。
つまり、「国語の授業を受けなければ、国語の勉強はできない」なんてことはないわけです。好きな本を読んでいれば漢字も文章のつくり方も覚えられるし、誰かに自分の気持ちや考えていることを「伝えたい」という思いがあれば文章を書きたくなります。そのときに漢字がなければ格好悪いと思えば、漢字を覚えるでしょう。
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