スーツさえ着ればOKじゃない時代の着こなし術

色や柄、生地を工夫するだけで印象が変わる

柄についても、捉え方が変わりつつあります。スーツスタイルでは、柄は最小限に抑えるのが基本でした。スーツの厳粛な雰囲気を醸し出すうえで、強い柄はノイズになると考えられていたからです。柄は「ネクタイなど小さい面積で取り入れる」もしくは、「スーツの織り柄などをうっすらと取り入れる」程度だったのです。

ウインドウペンチェック柄のジャケット(写真:筆者提供)

一方、オフィスカジュアルでは「柄のチカラ」が必要です。世間が柄に貼り付けている「暗黙のイメージ」を、人は受け取るからです。

中世のヨーロッパでは、柄は家紋のような役割と言われていますが、現代では「ストライプ柄」といえばビジネスを連想するのではないでしょうか。また、シャツによく使われる「ギンガムチェック柄」はクリエーティブ・カジュアルな印象です。さらに、ジャケットでよく使われる「ウインドウペンチェック」は知性をイメージする傾向があります。

例えば、セミナー・プレゼンで人前に立つとき、ウインドウペンチェック柄のジャケットを羽織れば、印象に知性が加わります。これは、私が延べ4500人を超えるビジネスマンの買い物に同行し、アドバイスしてきた過程で得た知見です。

商談で役立つオフィスカジュアル

一方、少人数で行われる商談においては、スーツの着こなし同様、挿し色や柄は控え目にします。ただし、黒・紺・グレーなどベーシックなジャケットを選びながらも、「生地の表情」で印象を微調整します。

左から、ダークネイビー・ライトネイビー・グレイッシュネイビー(写真:筆者提供)

同じ紺色であっても「ダークネイビー」「グレイッシュネイビー」「ライトネイビー」というように、ちょっとしたニュアンスで印象は変わります。

スーツでよく見かける厳粛な濃紺にくらべ、グレーがかった紺色は「柔らかい印象」です。また、青みが強い紺色は「アクティブ」に見えます。同じ紺ジャケットであっても、このちょっとした差が印象を微調整してくれるのです。

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