災害時の「住宅ローン返済」意外と知らない基本 購入前に要確認、被災時に後悔しがちな3点

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例えば、“水災”の補償ありのプランの保険料は、補償なしのプランのおよそ3~5割増しです。となると、「マンション暮らしだから」「近くに川がないから」といった理由で“水災”の補償を不要と考える人もいますが、内水浸水が起こったり川から離れた立地でも土砂災害の被害に遭った家も報道で目にしたのではないでしょうか。

火災保険を選ぶ際には、松・竹・梅といった3種類程度のプランが提示されるのが通常ですが、どこでどんな被害に遭うかわからない昨今では、「こんなはずではなかった」の声が「竹」「梅」プランで大量発生中です。保険料負担を重く感じるかもしれませんが、せっかく”もしも”に備えるのであれば「松」つまりフルカバーの補償が安心です。住まいは暮らしの“礎”ですので、その補償はケチらないのが無難です。

住宅購入時はさまざまな手続きがあり、くたくたな中で続けて保険の手続きをするケースが多く、ついいい加減になりがちですが、せめて、どんな補償内容なのかは契約時にしっかり確認するのがお勧めです。

ちなみに、持ち家のご家庭の火災保険は、「家財」の補償が抜けているケースが少なくありません。火災保険は、保険を付ける対象として「建物」と「家財」の2つに分かれていて、住宅ローンを組むときは、借入先の金融機関から「建物」の火災保険については入ることを求められるからです。というのは、住宅ローンは建物に抵当権を設定して貸し付ける有担保ローンのため、建物がなくなってしまうと金融機関も困るからです。

逆に言えば、「家財」の火災保険は手つかずな人が多いので、もしもの被災時の生活再建のための軍資金にゆとりを持たせたいなら、「家財」の火災保険に入っておくのも1策です。

ハザードマップは要チェック

もう耳にタコかもしれませんが、これから住宅購入に踏み切るときは、最後の決め手として「ハザードマップ」の確認がお勧めです。

本命の物件の絞り込みが進んできた段階で、一度、ハザードマップポータルサイトで災害リスク情報を確認しておきましょう。場所を入力すると、洪水・土砂災害・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示できる「重ねるハザードマップ」のほか、各市町村が作成したハザードマップへリンクして地域ごとのさまざまな種類のハザードマップを閲覧できる「わがまちハザードマップ」を確認できます。

この秋の相次ぐ台風被害でも、ハザードマップのとおりに被害が出た地域が少なからずありました。もしものときの危惧を減らす1策として視野に入れておいてはいかがでしょうか。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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