災害時の「住宅ローン返済」意外と知らない基本 購入前に要確認、被災時に後悔しがちな3点
これは2016年4月から運用が始まった制度です。災害救助法の適用を受けた自然災害で住宅ローンの返済が難しくなった場合に、災害後の世帯年収730万円未満、ローン返済額と新しい住居の負担が年収の40%以上であるなどの一定の条件を満たし、その自然災害で収入が減少したなどの理由により被災前ローンの支払いが困難になったと認められたときに適用される仕組みです。
この制度の適用を受けられれば、住宅ローン返済に関し減免が受けられるばかりでなく、個人信用情報にも登録されないため、新たな借り入れをする際に影響が出ないメリットも。災害に遭った人へのサポートという形のため、弁護士などの専門家に無料で相談でき、住宅ローンの借入先の金融機関との話し合いのサポートも無料でしてもらえます。
まずは、住宅ローンの借入先(銀行など)にこの制度による手続き着手を申し出て「同意書」を発行してもらい、その後に地元の弁護士会などへ手続き支援依頼をする流れです。制度の詳細は政府広報オンラインで確認を。
ただし、ほぼ要件を満たしていながら結局適用を受けられなかった残念なケースがあることには留意しておきたいところです。「被災前にすでに住宅ローン返済を滞らせていた」といった場合、ほかの要件を満たしていても適用は難しい現状があります。義務を怠っていると救援策は受けられない点には留意しておきたいところです。
火災保険は入っているだけではダメ
自然災害で被災したときの生活再建の3大軍資金は、①火災保険と②「被災者生活再建支援法」による支援金、そして③義援金が挙げられます。
この中で、一番早く手にできて確実なのは、火災保険からの保険金です。ところが、「きちんと保険契約を更新していなくて無保険だった」「水災の補償を付け忘れていた」「家を建て直しできるだけの金額で契約していなかった」というケースが散見されています。
実は、火災保険には保険会社ごとでさまざまなプランがあり、手厚さによって保険料にも差があります。見積もり依頼をすると、フルカバーのプランが最も保険料が高く、補償を減らして入りやすくしたエコノミープランなどもあわせて提示されるのが通常です。そのため、つい“節約”しすぎて、その家に必要な補償が漏れたプランを選んでしまい、いざというときに役に立たない入り方となっているご家庭は少なくありません。
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