ポーラ「リンクルショット」で苦境打破する事情

シワ予防が気になる30代がターゲットに

ポーラはリンクルショット開発時に、シワが発生する要因を突き止めた。紫外線を浴びることで好中球(白血球の一種)がエラスターゼと呼ばれる成分を過剰に出していることが要因だ。そこでポーラは、独自開発の医薬部外品有効成分「ニールワン」をリンクルショットに配合。ニールワンには好中球がエラスターゼを過剰に排出する動きを抑える作用がある。これにより、リンクルショットではすでにできてしまったシワを改善できるという。

今回のジオセラムには、新開発の保湿成分「モーションSリキッド」と「NEREリキッド」を配合。30代以降でも真顔の場合はシワがなくても、笑うとシワができるときがある。ジオセラムに配合されたこれらの新成分は、シワが出やすい部分に好中球が集まることを抑制する働きを持つ。 

2019年の業績は大幅減益が不可避に

満を持して新リンクルショットを投入したポーラ・オルビスHDだが、直近の業績は苦戦気味だ。

10月30日に同社が発表した2019年第3四半期(2019年1~9月)は売上高が1655億円(前年同期比10.4%減)、営業利益が254億円(同21.4%減)と減収減益に沈んだ。今期はすでに2度にわたって下方修正を強いられている。今のところ通期は売上高2200億円(前期比11.5%減)、営業利益300億円(同24.0%減)と見込んでいるが、利益の大幅減益は避けられない見通しだ。

その大きな要因が、これまで収益を押し上げてきたインバウンド需要の変化だ。今年1月、中国で中華人民共和国電子商務法(通称:EC法)が施行された。化粧品は中国人のソーシャルバイヤー(転売業者)が日本の百貨店やドラッグストアで大量に購入し、現地のECプラットフォームで売りさばくケースが多かった。ところが、本法の施行によって転売業者は営業許可証の取得や納税義務が課されることになった。

実際に1月のEC法施行前後、ポーラの美白サプリメント「インナーロック」の販売が激減した。中国の規制上、外国製のサプリメントを販売するのは許認可に時間がかかる。そのため、現地で未発売のサプリメントを日本で購入し、転売するケースが多かった。

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