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VWの電気自動車「ID.3」にみる最新進化の実力 CASE実用化の筆頭と言われる理由とは?

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ID.3のボディサイズは全長4261×全幅1809×全高1552(mm)、ホイールベースは2765mm。日本で販売しているフォルクスワーゲン「ゴルフ」のBEVである「e-ゴルフ」と比べて全長と全幅はほぼ同じで、全高が70mmほど高く、ホイールベースはID.3が130mm長い。Eの領域であるモーターは出力150kW/310N・mで後輪を駆動。車両重量は1719kgで搭載するリチウムイオンバッテリーの容量によって増加する。

VWがドイツで開始した電気自動車だけのカーシェアリングサービス「We Share」(筆者撮影)

Cの領域では、専用回線を用いた通信技術をふんだんに活用し、ヘッドアップディスプレイとAR(拡張現実)を組み合わせた新しいHMI(人と機械の接点)を採用。Aの領域ではSAEレベル2以上可能とする技術を実装した。そしてSの領域では「We Share」と呼ばれるBEV専用のカーシェアリングを2019年6月にベルリンでスタートさせ2020年にはID.3もそれに組み込まれる。このように生まれ持ってCASEたる次世代車がID.3の全貌である。

ID.3と新型ゴルフのすみ分け

フォルクスワーゲンは、現在販売されているハッチバックモデルの「ゴルフ」が培ってきた大衆車の領域をBEVであるID.3に担わせる。先頃、ドイツでは8代目となる新型ゴルフが発表されたが、ID.3とのすみ分けはまさにEの領域、つまり電動化にある。

電気自動車「e-Golf」で運営中の「We Share」に「ID.3」が加わる(筆者撮影)

ちなみに、新型ゴルフには48V系のマイルドハイブリッド仕様があるため電動化車両のカテゴリーに属するが、電動化の大命題であるCO2の削減量ではID.3にかなわない。なぜならID.3は製造時からCO2を排出しないことを目指して設計されたからだ。

フォルクスワーゲンはID.3を製造するツヴィッカウ工場に巨額の投資を行い、これにより年間100万t以上のCO2削減効果が望めるという。これはドイツにおける30万世帯に電力供給を行う石炭火力発電所のCO2排出量に相当する。

CASEの実用化は電動化車両が切り開く。しかし、この先の普及期にはA、S、Eにそれぞれ特化した車両が出てくることも予想される。個人的には生活の質と移動の質を向上させ、さらに交通事故ゼロに近づけるAの領域が昇華されることを望む。

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