アマゾンを圧倒的に成長させた14カ条の大原則

ジェフ・ベゾスが株主に宛てた手紙から見えた

もし、その秘訣をベゾス自身が説明してくれるとしたら、どうだろう。アマゾンが時価総額1兆ドルになった背景や、自分が世界一裕福な人物になった理由をベゾス自身が話してくれるなら、ぜひ聞きたいとは思わないだろうか。

幸い、『オズの魔法使い』とは違い、ベゾスはカーテンの裏側で暗躍しているわけではない。仕事の仕組みも戦略も、隠されてはいないのだ。

ベゾスには著書がない。しかし、彼は、毎年株主宛てにレターを発表している。このレターを見れば、アマゾンの創業から現在までのベゾスの考え方や戦略がすべてわかってしまうのだ。

これは株主でなくても誰でも読めるようになっていて、レターは昨年1年の事業を振り返る形で、翌年の4月に発表されるのが恒例となっている。発表は1997年に始まり、すでに今年で21回にも上っている。

レターから見えてくるアマゾン急成長のパターン

一見すると、ベゾスから株主へのレターは、世界一成功している会社のことがおぼろげにわかる面白い読み物でしかない。だが、レターを深く読み込んでいくと、これが20通以上にわたる別々の手紙ではなく、全体として1つの物語のように見えてくる。

そして、アマゾンを他の企業にはありえない速さで成長させてきた、ある「パターン」が浮かび上がってくる。さらに、このレターをアマゾンの事業という文脈の中で読んでみると、また、レターが書かれた時期に世界で何が起きたかも合わせて考えてみると、今の事業に応用できる部分がもっとあると気づくだろう。

アマゾンには、「リーダーシップ14カ条」というものがある。ベゾスはアマゾンの創業当初から、あらゆる面で社員のリーダーシップを重視してきた。どんなに優れた社員を集めても、優れたリーダーシップがなければその能力も出し切れないからだ。

だが、事業におけるリーダーシップは事業の成長とは別物だ。もちろん重なる部分もあるが、人がどう働くかに用いるのがリーダーシップ14カ条で、「事業や組織をどう動かすか」に用いるのがここで紹介する「成長への14カ条」なのだ。

次ページ何度も使える「成長サイクル」
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