「スマホ中毒」のわが子を止められない親たちへ 叱ったり強制するのでは解決しない

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3) 親も子も感情が出てきたら、感情がおさまるまで待つか、別日程に変える

基本的に人間は感情の動物で、自分の思い通りにいかないことや、短所・欠点を指摘されると感情が先行して出てきます。感情が出ているうちは適切な対話はできず、対策の話もできないため、そのような状況のときは判断・決定を急がず別日程に変えます。いかに冷静にできるかが要です。

4) これらの段階を経て、親は選択肢の提示をする

もし、勉強をするという選択をする場合は今後どうなるか、勉強しないという選択をした場合、どのように生きていくかを示します。そして、勉強するという選択を取った場合、現在のスマホが直接的原因となっていることを子どもが自覚したら、次のステップに進みます(スマホが原因ではないということであれば、別の対策を親子で立てていきます)。

5) 使い方のルールを決める(スマホが直接的原因であると認識した場合)

ルール決めをするときは、初めに子どもの意見から始めます。親の考えの一方通行を行うと、後々子どもは、親が決めたルールがおかしいと言ってきます。ですから、ルール決めは子どもとの共同作業になります。さらに、ルールを決めた場合、そのルールが守られなかったときの対応も決めておきます。おそらく多くの家庭では、ここまでは決めていることでしょう。

しかし、問題は、決めたルールを親が守らないということがあることなのです。例えば、子どもが決めたルールを守らないときに、親がスマホ24時間停止ということを決めていたとします。その24時間停止を親がやらないことが多々あるのです。例えば、子どもはキレるからという理由で。このようにして、約束やルールは破っても大丈夫ということを子どもは学んでいきます。すると、もはやその後は、親が何を言っても子どもは聞く耳を持ちません。

以上のようなプロセスを通じて親も子も学んでいきます。これを「教育」と言います。

親も完璧である必要はありません。こうして学んでいけばいいのです。このようなプロセスを経ずに、いきなりスマホのルール決めを一方的にしてみたり、勉強しないと学校をやめさせるといった脅しをしてみたりするから、事態が悪化していくのです。

物事には手順というものがあり、その手順に沿って進めれば、事態が好転していく可能性が高まります。ぜひ、試されてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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