つまり、ハマりやすい性質か、興味関心の領域がまだ狭いためスマホ以外に楽しいものが見つかっていない状態ということです(もしくはスマホの中に楽しいものを見つけているのかもしれません)。
したがって、問題はスマホをどうこうすることではなく、本人が今後どうしたいのかという点に焦点を当てていきます。
はじめに、その私立中学校になぜ行く必要があるのかを子どもと話し合います。勉強、部活、友達など、学校に行く理由を挙げていくことでしょう。部活を楽しむことはOK、友達と楽しむこともOK、勉強をしたくないこともOKとします。
その場合、勉強しないという選択をすることは、高校に進学した場合、勉強で赤点をとり退学になる可能性もあるけどもそれも受け入れたうえで、勉強をしないという選択をするかどうかの確認をします。
脅すのではなく、Aという選択をすればBという結果になり、A’という選択をすればB’という結果になるという選択肢を親は出していきます。子どもは先のことを予測できないため、目の前の楽しいことに興じる傾向にあります。それはそれで悪いことではないのですが、一方で親は先を見すぎて心配する傾向にあったりします。
ですから、親ができることは、選択肢を提示することなのです。そして、どの選択をするかは子どもに委ねます。親の意向とは異なる選択をする可能性もありますが、それを親が受け入れることができるかどうかということになります。
そこで、そのような親の覚悟を持った話し合いを「真剣」にする場が必要になります。より具体的にプロセスをご紹介します。
1) 親の一方的な押し付けの話にしない
子どもに意見を言わせることから始めます。よく親の一方的な説得や説教というケースがありますが、この場合、子どもにはほとんど話をしている内容は伝わっていません。親はいつものように怒っているなと感じているだけです。ですから、怒るのでもなく、叱るのでもなく、冷静に行わなければ、子どもはいつもの「お小言」の延長として捉え、真剣モードにはなりません。
2) 子どもの「どうしたいのか」を尊重する
尊重するとは、「子どもの言うなりにする」とはまったく異なります。「子どもの意見を尊重してください」と言うと、「子どもの言うことを聞けばいいのですね」と勘違いする人が少なくないのですが、そのような意味ではありません。
子どもがどのように考えているのかを認識するという意味です。「そういうことなのね、よく理解できた」という状態です。しかし、理解をしても、そのまま子どもの言うとおりにする必要はありません。親の意見もあります。子どもの意見と親の意見をすり合わせていく作業が次に必要になります。
*もし、子どもが「喋らない」「適当な反応をする」「キレる」ということであれば、重大決定をする家族会議を開き、家族全員で話をする場づくりが必要になります。それだけ真剣な話が必要とされているときであるというアピールになります。
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