東京五輪サッカー代表が直面する選手招集問題

森保監督の最強チーム結成には、難関がある

だからこそ、森保監督は今回、堂安・久保らの招集に強くこだわるしかなかった。自身もA代表とU-22代表の活動時期重複によって、若い世代を直々に指導できず、腹心の横内昭展コーチに任せっきりにすることが多かっただけに、「ここは何としてもベストメンバーを招集して、自分が采配を振るいたい」という強い決意もあったはず。

兼任監督の難しさに直面し続けた森保監督にとってこの11月は、選手の融合を図り、東京五輪代表の骨格を確立させ、金メダル獲得へ道筋を見いだすための本当に重要な場だ。

それを1回の活動でしなければならないのは至難の業というしかないが、目に見える成果を手にする必要があるのは確かだ。

とはいえ、本当の勝負は東京五輪本番ではないか。そのタイミングこそ、欧州組を揃って呼べるかどうかわからない時期だからだ。来年7~8月と言えば、欧州クラブは新シーズンを迎える前の準備期間。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)やUEFAヨーロッパリーグ(EL)予備戦やリーグ戦が始まっているところもあり、「選手を出せない」と判断するクラブが出てこないとも限らないのだ。

東京五輪でもベストメンバーが組めるとは限らない

現に、2016年リオデジャネイロ五輪でも、日本のエース候補だった久保裕也(ベルギー=ヘント)が大会直前になってクラブ側から招集拒否されるというまさかの事態に直面している。当時所属のスイス=ヤングボーイズがCL予備戦に参戦中で「どうしても久保が必要だから派遣できない」とギリギリに判断。日本側に通告してきたのだ。日本サッカー協会スタッフは事前にヤングボーイズに通いつめ、度重なる協力要請を行って内諾を取り付けていたのだが、その約束を反故にされてしまう形になった。

「何年もかけてクラブとの関係作りに努力して『大丈夫だろう』と思っていても、新シーズンになってGM(ジェネラルマネジャー)やSD(スポーツダイレクター)が代わったり、監督交代が行われたりすると『そんな約束は知らない』と言われてしまう可能性もゼロではない。裕也の場合はそうだった」と当時交渉に携わった関係者も苦渋の表情を浮かべていたが、東京五輪に関しても同じ事態が起きないとも限らない。

しかも、森保監督が主力と位置付ける久保や板倉らが来季、どこにいるかというのも未知数だから困る。久保の場合、レアルに戻るかマジョルカに残留するのか、新たなレンタル先に赴くかで事情は大きく変わってくる。他にも移籍者が出るだろうから、彼らの新天地とは協力関係を築けていないというケースも出てくる。予期できない混乱も想定されるのだ。

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