東京五輪サッカー代表が直面する選手招集問題 森保監督の最強チーム結成には、難関がある

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A代表常連の堂安律(写真左から2人目)と久保建英(左から3人目)が今回U-22日本代表に選出されました。写真は2019年6月のエルサルバドル戦(写真:新井賢一/アフロ)

2020年7月23日の東京五輪男子サッカー開幕まで8カ月余り。森保一監督率いるU-22(22歳以下)日本代表は11月17日、チーム発足後初の国内での親善試合であるU-22コロンビア戦に挑む。そのメンバーにA代表常連の堂安律(オランダ=PSV)、久保建英(スペイン=マジョルカ)、板倉滉(オランダ=フローニンゲン)の3人が招集されたことに今、大きな注目が集まっている。

実は同じインターナショナルマッチデー(IMD)期間に2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア2次予選・キルギス戦(14日=ビシュケク)があり、本来ならばA代表の公式戦であるそちらが優先されるべきなのだが、東京五輪本番までのU-22代表の活動機会は極めて少ない。今回はA代表を主戦場にしている海外組を呼べる数少ないチャンスだった。

「A代表でU-22世代の選手が何人か活動しているが、彼らをどう融合させるかタイミングを計ったうえで、今回の選考につなげました」と森保監督はあえて異例の判断を下したことを5日の会見で明かした。

海外組を招集するにはIMDという問題がある

サッカーの場合、代表チームが各クラブから選手を強制的に招集できるのは、3・6・9・10・11月の年5回のIMDとアジアカップなどの大陸別大会、W杯に限られている。Jリーグ所属選手に関しては、日本サッカー協会が「代表強化のために協力してほしい」とJクラブに選手の派遣協力を要請し、特別な強化合宿や遠征を組むこともできるが、海外組に関してはほぼ不可能と言わざるを得ないのが実情だ。

今年6月のコパアメリカ(ブラジル開催)を振り返っても、拘束力のある大陸別大会ではなかったことから、長友佑都(トルコ=ガラタサライ)や大迫勇也(ドイツ=ブレーメン)らA代表主力の招集は叶わなかった。

今夏の久保や安部裕葵(スペイン=バルセロナ)ら若手世代の大量移籍によって、欧州主要リーグの1・2部でプレーする日本人選手は今、50人弱にのぼる。それだけ日本代表強化の難易度が上がっているともいえる。指揮官は常日頃から「どうやってIMDを含めた活動期間を最大限有効活用するか」に頭を痛めているのだ。

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