やっぱり新興国経済は「軽くヤバい」ぜ ソチ五輪やロシアの、本当の見方とは?

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シャルマ氏自身、新興国に先進国マネーを供給する仕事でBRICsの発展に貢献してきた人物である。ところが『ブレイクアウト・ネーションズ』のプロローグでは、インドのデリー(シャルマ氏自身の出身地と思われる)での豪勢なパーティー席上で、インド人の若き道楽息子から「ここ以外のどこに金が行くって言うんですか」と言われてシャルマ氏が愕然とする情景が描かれている。それは、インド経済が10%成長を遂げた2010年のことであった。そして2012年のインド経済は、3.2%成長にまで減速しているのである。

すべて選挙がある「フラジャイル・ファイブ」に注意

あるいはブラジルやロシアのような資源国は、中国による大量の資源消費のために、国際的なコモディティ価格が上がったことによる恩恵を受けてきた。その間に、教育やインフラへの投資など、前向きな投資が行われていれば良かったのだが、かならずしもそうではなかった。時期尚早な福祉社会の建設や、政府と密着した大富豪たちの放蕩に資金が回っていた。これでは持続的な成長は覚束ない。

つまるところ、本当の意味で高度成長を続けてきたのは中国くらいであった。その中国経済でさえ、今やシャドーバンキングやら、理財商品のデフォルト懸念やらで揺れ動いている。PM2.5もあいまって、「寸前暗黒」ならぬ「一寸先は霧」といったところか。

さしあたっての注目点は「フラジャイル・ファイブ」ことインド、ブラジル、インドネシア、トルコ、南アの5カ国であろう。困ったことに、これらの国は全部選挙が予定されている。この選挙日程、頭に入れておいたほうがよさそうだ。くれぐれも今年は新興国経済にご用心めされよ。

☆トルコ
 地方選=3月30日/大統領選=8月

☆インドネシア
 議会選=4月9日/大統領選=7月9日

☆南アフリカ
 総選挙=5月7日

☆インド
 議会選=4―5月

☆ブラジル
 大統領・議会選=10月5日

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