これは画期的だ。少年野球の現場では、指導者の高齢化が目立つ。いまだに「昭和の時代」の指導そのままに、子どもに荒い言葉を浴びせる指導者がいるのも事実だ。少年野球各団体ともに、暴力、パワハラの根絶を訴えてはいるが、協会として明確な禁止の規定をつくったのは、ポニーリーグが初めてだ。また、喫煙の規定も4団体では最も厳しくなっている。
ただし那須勇元事務総長によれば、イエローカードの発行は本部に連絡されるが、罰則規定はないとのこと。処罰するのではなく、指導者の意識改革を促すのが目的だ。「2枚目のイエローカードを発行することはないと思っています」とのことだった。
スマホの操作で1球ごとの試合経過を記録できるアプリを導入。球数の管理ができるほか、従来父母などが担当していたスコアラーの仕事を軽減。
さらに、試合観戦ができなくても、試合経過がオンタイムでわかることから、父兄・関係者がより関心をもってポニーリーガーを見ることができるようになる。
これに伴い協会本部、各連盟組織内に公式記録部を新設し、公平かつ正確なデータ入力と保管の責任部署として機能させる。
このアプリは、四国アイランドリーグplusの坂口裕昭理事長らが開発に参画。独立リーグでの試験運用を経て実用化された。筆者は実際の試合での使用も見たが、1球ごとにスマホをタッチするだけであり、従来の1球速報アプリに比べても簡便性がアップしていると思えた。
日本のアマチュア野球界の課題解決に踏み出した
「球数制限」「金属バットの導入」「旧弊な指導の排除」「データ化」、日本のアマチュア野球界が抱えている大きな課題の解決に、ポニーリーグは一挙に踏み出したことになる。
「野球離れ」が進行する中、ボーイズ、リトルシニア、ヤングを含む4団体ではポニーだけがチーム数、選手数が増えている。
あるポニーリーグの指導者は「指導が厳しくて他の団体のチームを退団した野球少年の“駆け込み寺”のようになっている部分もある」と語る。選手だけでなく、チームも他団体の方針についていけないチームが、まるごとポニーリーグに加盟したケースもある。
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