「DeNA筒香嘉智」メジャー挑戦表明の大きな意味

ポスティングで、MLB球団と交渉する見通し

過去には、中島裕之(現・巨人、現在は宏之)のように、ポスティングシステムでMLB球団と交渉したもののまとまらず、翌年海外FA権を行使してアスレチックスに移籍した例もある。

横浜DeNAベイスターズへの感謝も述べた筒香選手(筆者撮影)

筒香の海外FA権取得は最速で2021年シーズンになる。

筒香は会見で、「横浜DeNAベイスターズに入団して10年経ちましたが、昨年ポスティングの話をしたときも、今年も、快く決断を尊重してくださったので、本当に感謝しています」と述べている。

理解ある球団に報いるためにも、なんとしても契約に結び付けたいと考えていることだろう。

② メジャーで活躍できるのか?

これまでNPBからMLBに移籍した野手は、少数の例外を除き打撃成績が下落している。多くの選手は本塁打数は半減し、打率も10%以上下がっている。

MLBで3000本安打を記録し、メジャーの殿堂入りが確実とされるイチローでさえも、通算打率はNPBが.353なのに対しMLBでは.311と12%下落している。本塁打は年平均13本から6本に半減している。筒香も、NPB時代と同様の成績をMLBで挙げるのは厳しいと見るべきだろう。

これまでMLBに移籍したNPB野手は、ほとんどがイチローに代表されるスピード感のある打者だった。本塁打もそこそこ打つが、安打や足でも貢献するタイプの選手が多かった。

スラッガーとしての筒香はどれくらい活躍できるか

筒香のように、スラッガータイプの選手が移籍するのはレアなケースだ。移籍時点でNPB通算200本以上の本塁打を打っていた打者のMLB移籍は、過去3人しかいない。筒香が今回で4人目となる。

松井秀喜 
NPB通算332本塁打 年平均33.2本 本塁打率13.77
MLB通算175本塁打 年平均17.5本 本塁打率25.38
中村紀洋
NPB通算307本塁打 年平均23.6本 本塁打率15.76※
MLB通算0本塁打 年平均0本 本塁打率0.00
城島健司
NPB通算211本塁打 年平均19.1本 本塁打率19.10※
MLB通算48本塁打 年平均12.0本 本塁打率33.52
筒香嘉智
NPB通算205本塁打 年平均20.5本 本塁打率16.71
※中村と城島のNPB通算は移籍時点での成績。

松井秀喜は10年間、MLBの主軸打者として活躍した。一方で、中村紀洋のように、MLBにまったく適応できずに短期間で撤退した選手もいる。問題は、成績が下落してもなお「一流選手の成績」の範囲内で踏みとどまることができるかどうか、だ。松井はMLBでの最多本塁打は31本だったがシーズン100打点を4回記録した。彼はMLBの野球に適応したと言えるだろう。

近年MLBでは選手の評価は多面的になっている。MLBでの選手の表彰や、年俸、契約などの指標としてWAR(Wins Above Replacement)という指標が最重要視されている。これは、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表している。WARの導入によって、打撃に加えて守備でも貢献できる選手のほうが評価が高くなっている。

29日の会見では「先日、(DeNAの同僚の)パットン投手が『筒香選手は打つのは間違いないだろうが、守備面でチャレンジになるだろう』と言ったが、守備については自身でどう思うか?」という質問があった。

筒香は「もちろん野球ですから守備も打撃も全部大事です。僕が評価することはできませんが、これからも精いっぱいやっていきたいです」と答えている。彼も厳しさを理解しているのだろう。

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