「DeNA筒香嘉智」メジャー挑戦表明の大きな意味

ポスティングで、MLB球団と交渉する見通し

10月29日、横浜市内でメジャー挑戦表明の会見を開いた筒香嘉智選手(筆者撮影)

10月29日、横浜市内で横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智が、ポスティングによるMLB挑戦を表明する記者会見を開いた。

筒香の今回のMLB挑戦は、3つの観点から論じることができる。

① ポスティングシステムでの移籍の意味

ポスティングシステムとは、FA権を取得する年限に達しないNPB(日本プロ野球)の選手が所属球団の承認を得て、MLB球団と交渉し、移籍するシステムのことだ。ちなみに同じ日にMLB挑戦を宣言した秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ)は「海外FA権」を行使してのメジャー挑戦であり、筒香とは事情が異なる。

選手を獲得するMLB球団は、移籍元のNPB球団に「譲渡金(ポスティングフィー)」を支払わなければならない。かつては松坂大輔やダルビッシュ有のように5000万ドル以上の高額で落札されるケースがあった。5000万ドルと言えば、NPBの1球団の年俸総額をゆうに上回る大金だ。松坂、ダルビッシュを送り出した西武、日本ハムは、譲渡金で二軍の施設を改修したり、ファンサービスを強化したりしたと言われる。

そういう意味では、ポスティングシステムは、育ててくれた球団への「恩返し」ができる制度でもある。

ポスティングでDeNAが手にする譲渡金はどうなる

しかし、MLBは譲渡金の高騰を懸念し、2013年からは上限が2000万ドルと決められた。2017年オフ大谷翔平は満額の2000万ドルを提示した球団の中からエンゼルスを選択した。

2018年からポスティングシステムはさらに改められ、譲渡金は、契約金総額に応じて決めることとなった。

・契約金総額が2500万ドル以下の場合、譲渡金はその20%
・2500万~5000万ドルの場合、譲渡金はその17.5%
・5000万ドル以上の場合、譲渡金はその15%

大型契約を結ぶことができれば、譲渡金も2000万ドルを超える額になる可能性もあるが、MLB側がNPB選手を見る目は厳しくなっている。筒香を送り出すDeNAが手にする譲渡金は、それほど高額にはならないのではないか。

選手はMLBコミッショナーが選手名を告知してから30日間、入札の意思を示したすべての球団と交渉できる。従来は単純な「譲渡金の金額」で交渉権が決まったが、さまざまな条件面を比較して球団を決めることができる。交渉は従来よりも高度で詳細なものになっているのだ。

交渉は日本側の筒香のマネジメント会社であるプロスペクト株式会社と、アメリカのエージェント会社「ワッサーマン」が当たることになる。ワッサーマンはヤンキースの主力打者のジャンカルロ・スタントンや、NBAのウィザーズの八村塁などの代理人も務める。

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