大学入試改革を民間に丸投げする文科省の狙い 教育再生実行会議の面目を保つ役人魂の結晶
以下がその概要だ。
(2)これらは年間複数回実施する
(3)これらは1点刻みではなく段階別の結果を出すようにする
(4)外部検定試験の活用も検討する
(5)コンピュータを使用した試験実施も視野に入れる
青写真を忠実に実現した結果の混乱
この教育再生実行会議の青写真を忠実に実現した結果、現在の混乱を招いてしまっているのだ。個別の大学入学者選抜については、2020年度には大きな動きはないので、特にセンター試験の制度改革について具体的に見ていこう。
(1)のセンター試験を基礎と発展の2段階に分けることについては、その発展レベルこそが、現在「大学入学共通テスト」と呼ばれているテストである。基礎レベルについては「高校生のための学びの基礎診断」と呼ばれている。
大きな混乱を招いている英語民間試験は、大学入学共通テストの一環として導入されるものであり、2024年度からは大学入学共通テストの「英語」という受験科目はなくなり、民間試験に完全移行する方針になっている。
経済的な負担、地域による受験機会の不平等、複数の試験を同一指標において使用することの限界などの問題が指摘されているにもかかわらず、文部科学省が英語民間試験の導入にこだわる理由の少なくとも1つは、これを導入することで、センター試験の制度改革として掲げられた上記(2)〜(5)のすべてをクリアできるからだ。
(2)の複数回実施は、英語民間試験を2回まで受けられるという形で実現する。(3)の1点刻みではなく段階別の結果を出すというのは「英検2級」というような形で実現する。(4)の外部検定試験の活用はまさにそのものが実現する。(5)コンピューターを使用した試験は、英検のスピーキングのテストなどで一部実現する。
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