大学入試改革を民間に丸投げする文科省の狙い

教育再生実行会議の面目を保つ役人魂の結晶

さらに、センター試験に代わる2つのテストのうちの基礎レベルにあたる「高校生のための学びの基礎診断」については、ほとんど報道もされぬまま、実は民間業者の各種検定やテストをそのまま活用する方針が決まっており、英語・数学・国語の3教科について、すでに文部科学省が認定を出している。当初はこの基礎レベルのテストについても大学入試センターがシステムを構築するかのようにいわれていたのだが、いつのまにか民間丸投げに方針を転換したのだ。

英語だけじゃない!さらなる民間試験丸投げへ

たとえば、「英検」「数検」「文章検」などの検定試験や、学研系の「基礎力測定診断」、ベネッセ系の「ベネッセ総合学力テスト」、リクルート系の「スタディサプリ 学びの活用力診断」などが認定を受けている。外部検定を活用し、複数回実施され、段階別の結果が得られ、場合によってはコンピューターも使用する。

こうすることで、教育再生実行会議の「第四次提言」で掲げられた、センター試験を廃止したあとのテスト体系の条件を、形ばかりではあるが、すべてクリアしたことになるのだ。これが政権の面目を保つための、役人魂というものなのだろうか。

大学入学共通テストの記述式問題や英語民間試験導入をめぐる大炎上の陰で、実は「高校生のための学びの基礎診断」を最初から民間検定試験に丸投げするスキームが、ほとんど報道されることもなく、よってほとんど批判されることもなく、するすると進んでいるのである。

現在文部科学省が作成する「高校生のための学びの基礎診断」のパンフレットには、これを大学入試に活用する可能性はまったく触れられていないが、平成28年3月31日の高大接続システム改革会議の「最終報告」には、2024年度以降これを推薦入試やAO入試などの一部大学入試にも使用する可能性が記載されている。

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そしてそもそも大学入試改革の最終的な目的は、一発勝負のペーパーテストを減らし、推薦入試やAO入試のような形式の入試を増やすことである。つまり、これらの民間試験が、将来の大学入試の大部分において、大きな役割を担うことになっているのだ。そうすれば政権が喧伝した「明治以来の大改革」が完遂したことになる。

大学入試への「高校生のための学びの基礎診断」の活用について、パンフレットで触れなかったのは、方針が変わったのではなく、当面の批判を避けるためではないかとかんぐりたくもなる。

いまは「大学入学共通テスト」に批判が集中しているが、いずれ「高校生のための学びの基礎診断」へ話題が移るだろう。ギリギリのタイミングまで詳細を明かさずに、詳細が明かされて批判が出たときには「もう時間がない。いまさら後戻りはできない」と言って改悪をごり押しする手口を、2度も食らってはいけない。いまから「高校生のための学びの基礎診断」の運用方法についても厳しい目を向ける必要がある。

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