婚活6年、それでも結婚が決まらない45歳男性 有名国立大学卒、大手企業勤務で年収900万円

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「竹内様とは、いい交際をさせていただいているようで、うれしく思っています。吉田としては“真剣交際”に入れたらと申しておりますが、いかがでしょうか?」

昌平には願ってもないことだった。申し出を快く受け入れ、2人は真剣交際に入った。

その後も、順調にデートを重ねていった。お互いの家を行き来するようにもなり、真知子が簡単な手料理を作ってくれたり、鍋をしたりしているという報告を受けていたので、これは結婚も近いなと、私は踏んでいた。 

ところが、真剣交際に入って2カ月半が経った頃、昌平からこんな連絡が来た。

「真知子さんとは、週1のペースで会ってはいるんですが、2人の距離がまったく縮まっていない気がしていたんですね。それで、その話をこの間のデートのときにしてみたんです。そうしたら、昨夜は、こんなLINEがきました」

そこには、大まかにこんなことが書かれていた。

「距離が縮まらないのは、私が当たり障りのない接し方しかしていないからかな。昌平さんにその話をされて、昨日、“あっ、もっと私らしくいよう!”と思いました。転職もしたし、“そろそろもっと自由でもいいかな”って。そんな感じです。 なので、全然気にしないでください。お互いにあまり無理をする必要はないよ。今度会ったときに話をしましょう」 

まったく的を射ない内容だったが、昌平は真知子の気持ちに変化を感じたようだ。嫌な予感がした。その週末にデートをしたけれど、お互いの距離が縮まらないことや真知子からきたメールの内容には、あえて触れないで過ごした。

デートの翌日に「交際終了」の連絡

その日は、映画に行き街をウィンドーショッピングして、デパ地下で惣菜を買い、車で昌平の家に帰った。ご飯を炊きみそ汁を作り、デパ地下の惣菜をおかずにして夕食を食べ、真知子を家に送った。

その翌日に、冒頭の相談室からの「交際終了」の連絡が私のところに入ってきた。

「やっとうまくいくと思っていたのに。僕は人を見る目がないんですかね。苦労せずに結婚している人は、いっぱいいる。どうして人が簡単にしていく結婚が僕には、できないんだろう。何かもうここまで頑張って結婚できないなら、しなくてもいいのかなって気になりますよ」

交際がダメになったときには、思っていることすべてを吐き出してもらう。どんな愚痴も、とことん付き合って聞く。それも仲人の仕事だと私は思っている。

私は昌平に言った。

「結婚してこそ一人前という考え方は、もはや古い。今や結婚は個人が選択をする時代ですからね。1人で生きていこうと思うなら、それはそれで腹をくくればいいんじゃない?」

それから3日後。

「結婚しなくてもいいかな」と言っていた昌平だったが、相談所協会のサイトから30件のお申し込みをかけてきた。

まだまだやる気らしい。そんな彼の背中を私は押し、伴走していく。真知子との交際はダメだったけれど、この調子で動いていけば、いつか結婚できる日が来ると、仲人の経験則から感じているからだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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