初めて家に行ったら、物があふれていた
半年前に成婚退会をした、伊藤真奈美(仮名、39歳)からLINEが来た。
「このたび、離婚をしました。またそちらで婚活したいのですが、面談の日にちを取っていただけますか?」
1年前に見合いした赤田昌吉(仮名、42歳)と半年の交際の末に成婚退会した真奈美だったが、いったい何があったのか。候補日をいくつか返信し、面談をすることになった。
事務所にやってきた真奈美は、とても疲れた顔をしていた。「いつ入籍したの?」と聞くと、「1カ月半くらい前」だと言う。そして、力のない声で続けた。
「彼は片付けられない人でした。初めて彼の家に行ったときに、家の中が物であふれ返っていました。ただテレビで見るようなゴミ屋敷ではないんです。衣服は衣服の場所、日用品は日用品の場所に置かれていて、衣装ケースや棚に入りきらないから、床にも置かれている。最初は、“男の一人暮らしだし、使わなくなった物が整理できないんだろう。結婚したら、私がきれいに片付ければいいや”くらいに思っていました」
昌吉は上場企業に勤め、年収が900万円あり、貯金もあって、都心に出やすい郊外に一戸建てを3年前に購入していた。
「“子どもが欲しい”という気持ちが一緒だったし、年も近かったし、誠実だし、結婚するには、これ以上の条件の人はいないだろうと思っていました。私は整理整頓や掃除が好きだから、“まさにデコとボコ。いい組み合わせだわ”と、前向きに捉えていたんです」
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