デートのときに必ず出る「コスパ話」
春に成婚退会をした柳原絵都子(仮名、38歳)から、「結婚を取りやめにしたので、そちらに戻ってもう一度活動をしたい」と、LINEが入ってきた。半年前に、吉原晴一(仮名、40歳)にプロポーズをされて、幸せそうな顔で成婚退会していったのだが、いったい何があったのか。ひとまず面談をすることにした。
事務所にやってきた絵都子は、ソファに腰を下ろすなり、大きなため息をついて言った。
「あまりにも金銭感覚が違いすぎました。とにかくお金に細かい人で、結婚したら息が詰まると思いました」
付き合い出した当初から、それには気づいていた。
「ファミレスに行ったことがあったんです。ランチタイムだったんですが、ジーッとメニューを見ている。最初は何を食べるのか迷っているのかなと思っていたら、違っていました。お金の計算を頭でしていたんです」
何をどう食べたら得か。ランチセットの場合、メインとサラダとスープとコーヒーでいくら。でも、単品にコーヒーをつけるといくら。じゃあ、やっぱり100円高くてもランチセットのほうが得だな、という具合に。
「デートの回数を重ねていくと慣れてきたからか、お店に入ってメニューを見ながら、必ずお金の計算話をするんです。あと、原価の話。『ピザとハンバーグセットが同じ値段だけれど、ピザのほうが原価が安い。だったら、ハンバーグセットを頼んだほうが得だよね』とか。ただ、男性ってコスパを考えがちだし、そこは気にしないようにしていました。食事も毎回ごちそうしていただいていたので」
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