ワークマンが「新型ECサービス」を始めるわけ 店舗受け取り体制を強化、アマゾン対抗へ

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ワークマンの小濱英之社長は今年8月に行った東洋経済のインタビューで次のように語っている。

ワークマンの小濱英之社長は「ワークマンプラス1号店では開店と同時にお客さんが殺到した」と振り返る(撮影:梅谷秀司)

「当社の顧客であるプロの職人の数が将来減る、というデータがあった。そのため、客層を広げる必要があった。あるとき、防水防寒着『イージス』がツーリングに最適とSNSで話題なのを知り、アウトドアやスポーツの機能を持った商品を訴求しようと考えた」

「その後、ワークマンプラス1号店のららぽーと立川立飛店(東京都立川市)では、開店と同時にお客さんが殺到した。急きょ『最後尾』の立て看板を作って入場制限をしたほど。この相乗効果で、既存の周辺店舗も売り上げが伸びている」

ワークマンプラスの店舗は75店体制に

ワークマンの快進撃は当面続きそうだ。新規出店や業態転換を加速し、2019年3月末に12店だったワークマンプラスの店舗は、2020年3月末に167店体制を目指す。

【2019年10月23日19時5分追記】2020年3月末の店舗数を上記のように修正いたします。

さらに、広告宣伝もテレビCMだけでなく、ブロガー向け商品発表会を積極的に開催。芸能人や有名ブロガーなどがワークマンの服を買ったことをSNS上でつぶやくと、その画面をそのまま活用して、店頭でPOPとして掲げることもある。

ワークマンはこういった「インフルエンサーマーケティング」を進化させる。「2020年の秋には、テレビCMも新聞の折り込みチラシも不要な態勢をとる方向」と、土屋専務は明かす。

C&C式のEC、新業態、そして新しい販促など矢継ぎ早に新施策を繰り出すワークマン。ただ、消費者のニーズは移ろいやすい。その変化をいち早く捉え、戦略として落とし込んでいけるか。急拡大期に入った同社の道筋はけっして平坦ではない。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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