ミシュラン店「うな富士」が目指すおもてなし

身障者と介助者だけが入店できる新店舗

創業してわずか25年で名古屋を代表するうなぎ店となった「炭焼 うな富士」は、なぜチェーンの傘下に入ったのか(筆者撮影)

うなぎの有名店には老舗が多い。筆者が暮らす名古屋も例外ではなく、平日でも行列が絶えない老舗店もあるほど。老舗店の強みは何といっても確かな目利きで仕入れるうなぎと長年にわたって受け継がれてきた技術、そして、創業以来注ぎ足してきたタレだろう。それらのフレーズを聞いただけで無性にうなぎが食べたくなる。

満席状態が続く名古屋を代表するうなぎ店

そんな中、創業してわずか25年で名古屋を代表するうなぎ店となった店が、名古屋市昭和区白金にある「炭焼 うな富士」だ。開店前から多くの客が訪れて、店の前に張られたテントの中で店が開くのを待っているのも珍しくはない。そして、いざ営業が始まると、店内はずっと満員の状態が続く。

うな富士は、うなぎの飼料メーカーで働いていた水野尚樹さんが50歳のときに脱サラして開店させた。サラリーマン時代は研究職に就いていて、独学でうなぎのタレを研究していた。タレの糖度と塩分濃度を分析して、名古屋の人が好む味を完成させた。

「うなぎのおいしさを決めるのは、うなぎが7割」と、話す水野さんが仕入れているのは、全体に青く、尾っぽまで肉付きがよくてやわらかい通称「青うなぎ」。全収穫量の2割程度しかないという希少なうなぎだ。

当然、うなぎ店の間で争奪戦になるが、水野さんには飼料メーカー時代に全国の養鰻場を行脚して築き上げた独自のコネクションがあり、地元の三河一色や浜名湖以外からも良質なうなぎを仕入れている。

店の名物「肝入りうなぎ丼」4100円(筆者撮影)

これが名物の「肝入りうなぎ丼」(4100円)。今でこそ肝焼きをのせた丼はほかのうなぎ店でも見かけるようになったが、筆者の知る限り名古屋ではうな富士が初めてだと思う。

大ぶりな肝焼きもさることながら、肉厚なうなぎとその焼き色に目を奪われた。これ以上火を入れると焦げてしまうというギリギリの焼き加減。人それぞれ好みがあるだろうが、筆者はこれがベストだと思っている。名古屋のうなぎは、関東と違って蒸さずに焼く“地焼き”。それゆえに、焼き方で味が大きく左右されるのだ。

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