キーエンス「2000万円営業マン」を育てる極意

キーエンスメソッド生かし、OB起業家も誕生

名川氏と同期入社の空田真之氏は、自分の市場価値を高める、それも30歳までに、という目的でキーエンスを選んだ。

キーエンスでは横浜中央営業所に配属され、汎用品の営業を担当した。キーエンスは2年9カ月で退職し、大企業トップに人脈を作れる可能性を求めてリクルートに転職。しかし、婚約者の実家の不動産会社が経営危機に瀕したことを機に2012年にリクルートを退職。結婚して再建に取り組んだ。

最小の資本と人で最大の付加価値をあげる

空田氏の会社は不動産賃貸業だ。保有不動産の付加価値を引き上げるべく、リノベーションを強化。中でも成功したのが子育て世代向けに特化した「コソダテ(子育て)リノベ」だ。どのような子どもに育ってほしいか。そのためにどんな教育が必要なのかを顧客から聞き出し、それに合わせてリノベーションを提案する手法が当たった。

まさに、顧客のニーズ=ゴールを聞き出し、ゴールに至るプロセスから必要な行動を導き出すキーエンスメソッドが生きている。

2013年入社で名川氏と同じ宇都宮営業所に配属された岡林輝明氏も、経営者志望だった。自らの市場価値を高めるべく、あえて激務で知られたキーエンスを選んだが、入社3年を経過したところで成長を実感できなくなった。

現在は外食産業のサポート事業を手掛けるベンチャー企業に所属するとともに、すし職人の弟とともに立ち上げた高級鮨の出張サービス事業「SUSHI+」の経営を手掛けている。

岡林氏は「(キーエンスから学んだのは)最小の資本と人で最大の付加価値(をあげること)」だという。

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