メーカー側もVWグループが起こしたディーゼル問題の後処理に工数を取られ、新型車をWLTPに適合させる作業にリソースを集中できていない。その結果、旧型モデルをほぼ売り切っても新型車が日本に入ってこず、売るクルマがない状態となっているのだ。
具体的には、本国ではすでに新型が販売されているA1、SQ2、Q3などが日本導入できていない。これらはコンパクトカーとSUVという、いずれも台数を稼ぐのに欠かせないモデルだ。2020年に相次いで日本導入を果たすと見られている。
外観やインテリアに見るアウディらしさ
今回試乗したQ3スポーツバックも2020年に矢継ぎ早に入ってくるであろうモデルのうちの1つだ。Q3とQ3スポーツバックのデビューには約1年の時間差があるのだが、前述した理由で、日本導入は連続的に入ってくることになる。ただ、具体的な発売日程や導入グレードの詳細については未定という。広報担当者は「言えないのではなく、本当に決まっていないから言いようがない」と強調していた。
全長4450mm、全幅1840mm、全高1560mm、ホイールベース2680mm。日本人にはまだ新型Q3になじみがないため、初代Q3と比較すると50mm長く、10mm幅広く、35mm低い。全高が低いことから後席のヘッドルームはやや狭いが、ホイールベースが75mm長いので、膝下には余裕ができ、全体的な余裕はむしろ増している。
シャープな八角形フロントグリルをはじめ、前後フェンダーアーチおよびボディーの下端がブラックで塗装され、精悍な印象を与えているだけでなく、天地に薄いクルマに見せ、クーペ感を強調している。前後フェンダーが外に張り出しているように見える視覚的効果を狙ってフェンダー上部にえぐったようなキャラクターラインを入れることで、スポーティーモデルに見せるという古風な手法を用いており、実際スポーティーな印象を受ける。
インテリアは、メーターナセル内すべてがデジタル液晶で、速度とエンジン回転の表示の間に地図などを表示させることができ、それぞれのサイズも変えられるおなじみの12.3インチバーチャルコックピットと、ほとんどの機能をタッチで呼び出せるインパネ中央の10.25インチスクリーンが目を引き、ひと目で新世代アウディとわかる。
そのほかはオーソドックスなデザインだ。ラゲッジ容量は通常時が530リッター、後席を倒せば1530リッターと、Q3と比べても遜色ない容量を誇る。極端な話、市場規模の小さい日本にはQ3スポーツバックに絞ってもよいのではないかと思えるほどだ。
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