偏差値が物語る「早稲田人気」が復活したワケ GMARCH、日東駒専にも異変が…

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「日東駒専では日大と東洋、駒澤と専修とで分かれている。偏差値やブランド力を踏まえると、成成明学につなげて、『成成明東日』と言ってもいいのではないでしょうか」

海外志向・意識高い親が熱視線

意識が高い親や受験生の間では偏差値に頼らない大学選びも始まっている。首都圏の中高一貫校に娘が通う40代の女性は明かす。

「いま、親の関心事は海外留学です。国内の大学で留学の制度が整っている大学はどこか。早慶やMARCHといったブランドを見て大学を目指すというようなことは考えていません」

偏差値の高い大学なら就職も安泰というのは今は昔。在学中から、社会で役立つ確かな資格やスキルを身につける時代になった。文系志望の場合、大学の制度を利用して子どもに語学を身につけさせたいと願う親が増えているという。

文部科学省によると、17年度の日本人の留学生の数は約10万人。およそ大学生の25人に1人が留学をする計算だ。短期留学が多いが、半年や1年の長期留学も珍しくない。

こうした中、日本の大学に入っても、海外の大学の学位が取れる制度に親の熱い注目が集まっている。中学受験情報誌「進学レーダー」編集長の井上修さんはこう語る。

「海外の大学と連携し、学位が取れる仕組みが急速に広まりつつあります。保護者や受験生から人気を集めているのがMSRです」

MSRとは、武蔵大、昭和女子大、立命館大の3大学の頭文字。武蔵大経済学部では英国の名門大・ロンドン大と提携し、日本にいながらロンドン大の学位が取れる制度を用意。立命館大国際関係学部では、米国の名門アメリカン大との共同学位を取れる。

井上さんが特に注目するのは昭和女子大だ。昭和女子大の国際学部では国内で3年間学び、中国の名門校・上海交通大、または韓国のソウル女子大に2年間留学すると、二つの学位を取得することができる。さらに、昭和女子大附属の昭和中学校・高等学校に通うと、高3から大学の授業を1年間前倒しで受講でき、留学してもきっちり4年間で大学を卒業できる。留学で心配なのは卒業時期が遅れること。この制度があれば安心と、中学受験を検討する親も増えているという。

今年からは米国の州立テンプル大の日本キャンパスが昭和女子大のキャンパス内に移転。日本にいながらテンプル大の学位も取得可能になった。国際学部の柏木厚子教授はこう述べる。

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