偏差値が物語る「早稲田人気」が復活したワケ GMARCH、日東駒専にも異変が…
早稲田大は多方面で改革を進める。04年に国際教養学部をつくり、人気学部に成長。昨年、大学改革を掲げた田中愛治教授が新総長に就任したことも話題になった。これからの時代は数字を扱える必要があるという意識から、21年度入試から政治経済学部に数学を導入する予定だ。こうした改革の姿勢が実を結びつつあり、学内の雰囲気も明るくなったと評判だ。
改革の早稲田は実を結んだ
安田さんはこう見る。
「高校の先生にグローバル教育に力を入れる大学を尋ねたアンケートでは、早稲田大は上位に入るが、慶應はかなり下がる。入試も早稲田が改革を打ち出す一方、慶應は静観の構え。早稲田の姿勢のほうが受験生や高校の先生に届いている」
早慶以外でも、従来の大学の序列には変化が起き始めている。これまで「早慶上理(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)」と「GMARCH(学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)」という分け方が一般的だったが、偏差値や人気によって再編。「SMART(上智大、明治大、青山学院大、立教大、東京理科大)」というくくりが出てきたのは、本誌1月4・11日号で報じたとおり。
この流れでは、学習院大、中央大、法政大が従来のくくりから外れてしまうわけだが、それらを合わせた「GCH」(ジーチャンネル)も現状に甘んじているわけではない。国際系の学部を新設するなど改革に乗り出し、SMARTを猛追しているため、「SMART+GCH」という呼び方も出てきている。
「日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)」でも地殻変動が起きている。ダブル合格をした際にどちらに進学したかをまとめると、日大と東洋大に人気が集まっているのがわかる。特に東洋大は今年、入学率で日大を上回った。東洋大はキャンパスの都心への移転計画や学部新設など改革に力を入れており、効果が出た形だ。
東洋大の勢いは「成成明学(成蹊大、成城大、明治学院大)」にまで及ぶ。成城大と東洋大でダブル合格を比較すると13%が東洋大に、明治学院大と東洋大の場合には、4%が東洋大に進学した。「大学ランキング」編集者の小林哲夫さんはこう見る。