「妻から逃げる夫」に有効な対処法はあるのか 妻からの「2人目の提案」に追い詰められる夫

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ともみさん夫婦について聞いてみると、まさにこのパターンで、ともみさんはいつもご主人に「なんでやってくれないの? 使えないわね」などと強い口調で当たってしまい、休日はご主人は黙ってひとり離れて録画したテレビをずっと見てるとのこと。そして先日の「2人目」について責めるように詰め寄ったことがプレッシャーになってしまったのでしょう。

一生懸命になるあまりに心に余裕がなくなるのは仕方がないことですが、家族といえど、自尊心を傷つける権利まではありません。

問題なのは、「ことある度に」きちんとコミュニケーションをとらずにきたことです。ちりも積もれば山となるで、小さな心のすれ違いは雪だるま状に大きくなってしまいます。小さなことでも、スルーせずにその場できちんとお互いに落とし込むという作業はとても大切なのです。気がついたときには「存在自体がイライラする、わかり合えない」なんてことにもなりかねませんから。

互いの「感謝するところ」を見直す

「とくに昭和世代の男性は『男は泣くな、弱音を吐くな』と教育されてきていますからね。閉鎖的というか、自分から折れるということが下手な方が多い。お互いの気持ちを考えて、お互いに反省するところは反省する、感謝すべきところはきちんとお互い感謝するという基本的なところから1度見直してみましょうか。

ご主人から見てともみさんは「怒る人、自分の意見が通らない」と認識してしまってるのでしょう。まずそこを打破しましょう。

では、普段ご主人に感謝しているところを教えてください」

「……なんだろう。出てきませんね(苦笑)」(ともみさん)

「小さなことでいいんですよ。作ってくれるご飯がおいしいとか、子どもとの遊び方がうまいとか、むしろ小さなことのほうがいいです。そんなとこちゃんと見てるの?なんて思うような」

「あぁ……はい。確かに作ってくれるご飯はおいしいです。でも夫が台所に立つとものすごく散らかっていつも嫌だなと思ってしまうんですが、おいしいのはおいしいです。夫は子どものことを強く叱ったりしないので、子どもも夫といるときは伸び伸びしている感じです。言われてみると、いい面もあるはずなのにその前後の嫌なところしか目につかなくなっていたかもしれません。反省ですね」(ともみさん)

こちらからの投げかけで、ともみさんの口からようやくご主人のいいところが出てきました。普段から、お互いに「ありがとう」という言葉も交わせていなかったようです。

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