メガバンクに迫る資本規制強化の大波


 規制改革の全般は金融安定理事会(FSB)で議論され、詳細はスイスのバーゼル銀行監督委員会で詰められるが、方向性は見えてきている。

資本の「量」の強化として、自己資本の最低所要水準を現行の8%から引き上げることが検討されている。また、収益が上がる好況時には最低所要水準を上回る資本をバッファーとして積み立てておき、不況期に取り崩すという「可変的な最低所要自己資本」も導入する方向だ。

さらに「質」の強化として、中核的な自己資本とされるコアTierIは、主要部分を損失吸収力がある普通株と内部留保にするとしている(下図参照)。現行基準ではTierIに優先株や優先出資証券の算入が認められている。しかし、破綻時の請求権の順位や債務の返済、利息や配当の支払いが制限できるかという点では資本性で劣るため、減らしていく方向だ。「株主のガバナンスを働かせるために議決権の有無を重視すべき、との観点からも普通株が重視されている」(野村資本市場研究所の小立敬副主任研究員)。

こうした強化策導入は日本の大手銀行には大きな負担だ。国内の金融機関は90年代に抱えた不良債権の処理を終え、資産内容を健全化させてきた。一方、損失処理で毀損した資本の増強は道半ばだった。


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