メガバンクに迫る資本規制強化の大波


 またも日本は“狙い撃ち”にされるのか--。G20ピッツバーグ・サミット(金融・世界経済に関する第3回首脳会合)で銀行の自己資本規制を強化する方針が決められた。

金融危機を受けて、報酬規制や監督体制強化など、さまざまな金融規制改革が議論されている。こうした中でも、特に自己資本規制の強化は日本の金融機関にも大きな影響を及ぼすことになる。

国際的な業務を行う銀行に対し、BIS(国際決済銀行)自己資本規制(バーゼルI)が決められたのは1987年で、きっかけは米コンチネンタル・イリノイ銀行の破綻だった。だが当時、国内バブルの余勢を駆って海外市場で盛んに投融資をしていた邦銀を縛ることが目的だ、との反発が業界には強かった。政治的な背景も強いことから、新たな規制強化で国内金融市場への影響を懸念する声が高まっている。

「量と質」の両面強化で巨額の増資負担が発生

今回の自己資本規制の見直しの理由は大きく二つある。2003年ごろからの世界的な過剰流動性やバブル景気を受けて、欧米の金融機関は過度にリスクを取る投資を行ってきた。しかもその保有資産のリスクは過小評価され、相対的に自己資本が不足していたことが金融危機の一因になったとの反省が第一にある。

もう一つが、現行の自己資本規制「バーゼルII」が持つプロシクリカリティ(景気循環の増幅を拡大させる効果)の問題だ。プロシクリカリティとは、不況期には投融資先の信用状況が悪化し資産のリスク量が増えることから、金融機関が自己資本比率低下を防ごうと投融資を絞り込み、景気の悪化を促進するおそれがあるというもの(好況時は投融資を促進し、バブルを誘発しがちになる)。これを是正する狙いがある。

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