後編 遺言者が自分の思いを伝えながら最適の配分を示す

「教育資金の一括贈与」制度のメリット

愛情や思いやりを持って財産を承継するという観点で申し上げると、「教育資金の一括贈与」という新しい制度にも注目していただきたいところです。
主に祖父母からお孫さんへ教育費を一括して贈与したとき、1500万円まで非課税になるというものです。

これは金融機関を通じて資金を預け入れる手続きを取るため、信託銀行にも大きな反響があり、多数のお申し込みをいただいている状況です。贈与を受ける人1人につき1500万円までですので、祖父母の1人が複数のお孫さんに贈与するケースも少なくありません。
 この制度が普及した背景には、教育のためだけに使えるお金として信託銀行などが管理するという仕組みがポジティブに受け入れられたからではないかと考えています。
 教育資金を贈与することで、祖父母の世代はお孫さんの将来に思いを託すことができます。また、元気にお孫さんと交流できるうちに財産を贈り、喜んでもらえるというメリットもあります。相続の1つの理想を体現する制度ともいえるでしょう。

また、祖父母から孫への親の世代を飛ばしての贈与は、親世代にとっても嬉しい側面があります。
 というのも、自分たちが負担しなければいけない子どもの教育費を祖父母からの贈与でまかなえるからです。家計に占める教育費の大きさを考えると、親世代の負担軽減につながることは間違いありません。この制度は、平成25年4月からスタートしており、平成27年12月31日までの期間限定ですので、条件にあてはまるご家庭では検討してみてはいかがでしょうか。

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