消費増税で逆に儲かる「意外な企業」の見つけ方 「投資家目線」で探せば上昇銘柄が浮き彫りに

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需給面、テクニカル面ともに良好な日本株市場だが、問題はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)だ。米中貿易問題に加えて、香港の抗議デモなど海外に不透明要因が山積している。一方で、日本国内はどうなのかというと、10月からの消費税率の引き上げが国内の消費、そして景気に深刻な影響を及ぼすことを懸念する声も少なくない。

政府は、軽減税率の導入やキャッシュレス決済に伴うポイント還元、プレミアム商品券など2兆円を超える消費下支え策を用意した。さらに、増税で確保した財源で幼児教育の無償化も進める。これらの対策も含めて今回の消費税率アップに関しては賛否両論、景気に及ぼす影響についても見方が分かれている。

消費増税を追い風にできる企業に注目

私は前回(2014年4月)の増税時のような消費の落ち込みはないのでは、と見ている。前回の増税時には1年ほど前から住宅や自動車など大物耐久財を中心に大きな駆け込み需要が発生したが、今回はそのような動きは見られない。さすがに直前の9月あたりにはティッシュペーパーなどの日用品に駆け込みの動きが見られたが、その規模は限定的だろう。

駆け込み需要が大きければ、当然、その反動は大きく、前回増税後の消費の落ち込みは駆け込み需要の反動減によるものが大きかったと思われる。今回は増税によって消費動向に大きな波が生じることはなく、既に節約志向が染み付いた日本の消費者は粛々と増税に対応していくのだろう。むしろ、社会保障制度の維持に向けた財源の確保が一歩進められたことが、いずれ消費者の安心感を醸成していくことを期待したい。

一方、企業サイドでは小売、サービス、飲食など消費関連業種を中心に、業績に与える影響をかなり警戒しているようだ。増税による消費マインドの冷え込みが売上高の減少を招くかもしれないし、価格競争が激化すれば収益に及ぼすダメージは大きくなる。大半の企業にとっては、消費増税が業績の負担になることはあっても、追い風になることはない。しかし、投資家サイドに立てば、そのような状況でも消費増税が中長期的な利益成長を後押ししそうな企業には、是非とも注目しておきたい。

次ページ消費関連の“勝ち組”企業がさらに優位性発揮へ
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