今秋の「ファンドの売り」は少ないかもしれない 日本株の「買い方優位」は変わっていない
日経平均株価は10月に入って一転、調整局面となっている。
おおむね2万0200円の8月安値から2万2200円台の9月高値を付けた相場は今後どうなるのか。ひとことで言えば、現水準(4日終値2万1410円)は、窮地に陥っていた空売り筋が息を吹き返すのか、それとも、さらに売り残が溜まり2段上げのエネルギーとなるかの正念場と言える。
日経平均の「当面の下値」はいくらになるのか?
今の水準は、「半値押しは前値押し」の相場格言で言えば、9月高値から上昇幅約2000円のちょうど半値1000円安の位置であり、「強い上昇相場のシグナル」とされる「トリプルクロス」(短中長期の移動平均が同時に交差することを言う)が、移動平均線が「本物のサポートライン」として機能するのかが試される水準でもある。
具体的に言えば、上昇が過熱的急角度だった25日移動平均(10月4日現在2万1508円)は、3日(木)に破られてしまった。だが、4日(金)は75日移動平均(同2万1280円)にワンタッチ後、2万1410円引けと反発を見せている。さらに長い3本目の200日移動平均(2万1209円)と共に、下値はどれほどなのか、「限界」が試される。
前回の記事「日経平均は「大相場への初期段階」の兆候がある」でも書いたが、投資家サイドを取材すると、空売り筋は意外に腰が据わっている一方、買い方は強気への転換が少なかったことがわかった。
すなわち、裁定取引ネット買い残は9月6日のマイナス1兆6945億円(買い残3721憶円、売り残2兆0666億円)の過去最低水準から、同27日のマイナス1兆1478億円(買い残5782憶円、売り残1兆7260億円)と調整が進んでいるが、なおも「マイナスの異常現象」は続いている。
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