「叱るのが苦手な管理職」でもできる3つの習慣 月初や新年の仕事始めは「デビュー」チャンス

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「叱ります宣言」をするタイミングは、その新人と初めて関わる状況がベストです。例えば、新人が入社時研修を終えて、部門配属されたタイミングなどがよいでしょう。新人と1対1で話す環境で、自己紹介が終わった後に、今後の仕事内容と合わせて「叱るときは叱る」など指導の方針をすり合わせておくのです。

なお、今までは叱らなかったけれど、これからは叱ろうと思ったときや、入社後しばらく経った新人への指導のスタンスを変えたい場合は、新たな「方針」として打ち出せばいいわけです。例えば、新人がミスしてしまったタイミングや月初や新年の仕事始めなどは「叱る人デビュー」のチャンスです。

ヒント2:「知識」「行動」を分けて問題の原因を考える

ある新人に対して、大きな声で叱り飛ばしている若いリーダーがいました。その様子を見ていた責任者は、そのリーダーを呼びつけ、「若いもんをそんなにガミガミと怒っちゃいかん」と諭していました。私もその考えに同意します。指導者が感情的に叱っては、叱られているほうも、それを素直に受け止めることが難しくなるでしょう。

しかし指導者には、新人の成果が思うように上がらず、あるいは問題が改善せず、「なんでできないんだ!」と怒鳴りたくなるときも正直あるわけです。では、なぜそのように感情的になってしまうのでしょうか。

理由はいろいろあると思いますが、問題の原因がうまく整理できていないことが感情的に叱ってしまう引き金になることもあるようです。

つまり、指導者が「問題の原因は○○だ」と思って指導をしても、新人がそれに納得していなかったり、あるいは、指導者が原因を捉え違えているがために新人がいくら頑張っても改善できないから、つい感情的になってしまうのです。

感情的にならずに、適切に叱るためのヒントとしては、次の2つの視点から、問題の原因を探ってみるのが効果的です。

1 知識が足りないのか
2 行動が足りないのか

新人とのコミュニケーションや観察を通じて、知識が足りないからうまくいかないのか、それとも知識はあるけれど行動に移せていないからうまくいかないのか、まずはそこを見極めましょう。この整理だけでも、見当違いの指導をしたり、新人に納得してもらえないということが少なくなると思います。

次ページ「叱る」をより効果的に受け止めてもらうためのワザ
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