名門女子校の先生が教える女の子を伸ばすコツ ただ共学校に入れても異性を見る目は育たない
「男子が質問しに来たときは、解法が知りたいとき。余計なことは説明しなくていい。でも、女子が質問しに来たときには、いきなり解法を伝えるとダメなのです。
『どう思うの?』『どこまでわかったの?』と聞きながら生徒の考え方のいい部分を認め、会話を通して答えを引き出してあげるような関わり方が有効です。女子は解法だけが知りたいのではなく、自分がわからなくて不安な気持ちを教員にわかってほしいのです」
同じく鷗友学園の吉野明名誉校長は、「女子に対して『ダメじゃないか』は禁句です。ダメ出しをすると女子はこちらの想像以上にへこんでしまいます。場合によってはその教科をそのまま嫌いになってしまいます」と付け加える。
女子校とは縁がなかったとしても、女の子の親として押さえておきたいポイントである。ただし、当然のことながら個人差は大きい、ダメ出しが苦手な男子も大勢いるし、ダメ出しで奮起する女子も大勢いる。あくまでも、子どもへの関わり方を考える際の参考としてほしい。
異性を見る目を養うために親がすべきこと
女子校に通う女子は共学校の女子よりも男子との接触機会は相対的に少ないことが多いだろう。男子の生態を間近に見る機会も乏しいので、男を見る目が養われないという指摘があり、一見反論の余地がないように思われる。
この点について、女子校の教員たちはどのように考えているのだろうか。
ある女性教員は、「確かに男性との距離の取り方は下手だと思いますよ。だから、妙に男性になれなれしくして浮いちゃう子もいるだろうし、逆に男性の前で固まっちゃう子もいるはずです」と笑いながら話してくれた。「ほどほど」がわからないというのだ。
しかし横浜雙葉学園の千葉拓司学園長は、「女子校出身だから男を見る目が養われないなんていうことはまったくない」と断言する。
「学校の中に男子はいないが、男子との接触は学校の外でいくらでもできる。男子との必要な接触は各自すればいい」としたうえで、「親御さんが心配なのは、いまカレシができるかどうかということよりも、将来男性とうまく付き合えなくなってしまうのではないかということだと思います」と千葉学園長。そしてその点については、世間一般に大きな勘違いが横行していると訴える。
将来お互いを尊敬し合えるようなパートナーシップを男性と結ぶために思春期において身に付けるべきことは、男子とうまくお話しができる会話テクニックではなく、1人の人間として、異文化を認め尊敬できる寛容な人間性を身に付けることであると千葉学園長は説く。
そのために子どもたちが第一に学ぶべきことは、自分自身と向き合い、自分が生まれながらに大切な存在であることを知ること。そしてその次に、人はそれぞれ生まれながらに価値があり、人はそれぞれ違っていいということを学ぶことだという。
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