マツダ「CX-30」のデザインは、何が売りなのか ボディサイズに込められた深い意味とは

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柳澤氏はデミオ(現マツダ2)のデザイナーでもあった。当時聞いた話で今も忘れられないのは、入社直後の営業研修で5ナンバーセダンの「カペラ」が3ナンバーの「クロノス」にモデルチェンジしたので紹介したところ、3ナンバーでは車庫に入らないから買えないと言われたエピソードだ。同氏はその言葉を覚えており、デミオは5ナンバーを死守したという言葉が返ってきた。

同氏はデミオでは全長も4m以下を希望した。スカイアクティブエンジンの搭載、衝突安全性能の強化、疲れにくいドライビングポジションの実現などの要件を優先することになり、結果的には4mを超えたが、可能な限り短くしてもらうよう、エンジニアにお願いしたという。

いずれにせよ、このクラスの中核を担うなら美しさだけでなく扱いやすさも大切であり、そのために寸法を重視したというのが開発陣の総意だった。

特徴的な「直線と真円のライン」

外から見て目につくのは、サイドシルやフェンダーを覆う黒く幅広いパネルだ。ボディはマツダ3と同じように線ではなく面で魅せているのに対し、この部分は直線と真円で描かれており、面構成はシンプルだ。

CX-30の後ろ姿(写真:マツダ)

このコンビネーションは、柳澤氏によれば意図したものだという。下半身を黒く消すことでボディの天地を薄く見せることに加え、上は美しさ、下は機能と異なる意味を持たせた結果とのことだ。

なので、マツダブランドのイメージカラーであるソウルレッドクリスタルメタリックのような彩度の高い色のほうが、上下の対比が明確に表現できるそうだが、人によって好みが分かれるかもしれない。

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