テレビと小泉進次郎の関係に起きた大きな変化 結婚や大臣就任、視聴者の見方は少しさめた?

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大臣に就任以降の言動も、これまでの「ファン」から見て評価していいのか判断ができない状況だろう。

テレビの側も数字が取れなくなると、進次郎氏を番組で取り上げる理由もなくなる。

拙著『勝つために9割捨てる仕事術』でも、テレビ制作者がどのように取り上げるネタをチョイスしているかなど視聴率争いの実例を挙げているが、「見ている人」に好まれる話題をいかに取り上げるかを、情報番組などでは日々判断している。

その視点で言えば、これまでの小泉進次郎氏は間違いなく「数字を持っている」人物だった。

兄・小泉孝太郎さんの好感度も相まって、「そこには何か、明るい未来が待っている」ようなイメージを持つ視聴者も多かった。

その流れで「結婚会見」を取り扱うと、意外にも視聴率は伸びなかった。

そして、それ以降は大臣就任の際の“裏話”など進次郎ネタを扱っても、制作者の期待ほどには数字は取れていないだろう。

「若手議員」から「大臣」への昇格

一方で小泉氏は大臣になったので、「ただの若手議員」とは扱い方も変えないといけない。

そんな中で「セクシー発言」などが飛び出すと、ニュアンスは政治ニュースというよりも“芸能ニュース”に近い扱いになってしまう。

取り上げ方も、熱烈な進次郎ファンはいまだに多いので批判的な内容はやりづらい。しかも視聴率がついてこないとなれば、テレビの取る姿勢は「静観」である。

従来のように、手放しで持ち上げるような報道は減っていくだろう。

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「若手人気議員」から大臣になるということは、これまでとは別次元の中身も問われることになる。

テレビがいきなり「敵」になるようなことはないが、「味方」でもなくなる。「小泉進次郎とテレビの蜜月関係」は大きな変化を迎えた。

もちろん世の中の“空気”はすぐに変わる。小泉大臣の仕事ぶりによって、再び視聴者が熱心に追いかけテレビも熱く取り上げるように戻ることもあるだろう。

小泉進次郎大臣にとって、テレビにどのように「扱ってもらえるのか」というテーマは、本人が38歳にしてここまでたどり着けた理由が「テレビという追い風」にあった以上、これからも“本業”の政治活動と同様に抱えていかねばならない難題なのだ。

村上 和彦 TVプロデューサー、京都芸術大学客員教授

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むらかみ かずひこ / Kazuhiko Murakami

1965年生まれ、神奈川県出身。日本テレビ放送網に入社し、スポーツ局に所属。ジャイアンツ担当、野球中継、箱根駅伝などを担当する。その後制作局に移り、「スッキリ」「ヒルナンデス」「ブラックバラエティ」「24時間テレビ」など幅広いジャンルで実績を上げる。2014年、日本テレビを退社し、TVプロデュースの他、執筆、講演会など活動の場を広げている。現担当 : BSフジ「プライムオンラインTODAY」監修演出など。

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